イスラエル軍、作戦規模変更=ガザ北部の対ハマス攻撃
【エルサレム時事】イスラエル軍報道官は8日、パレスチナ自治区ガザ北部でのイスラム組織ハマスとの戦闘に関し「異なる方法によって異なる部隊構成で作戦を行っている」と述べた。報道官はこれに先立つ米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューでも、「戦争の段階は移った」と発言。民間人保護のため標的を絞った作戦への移行を求める米国に配慮し、北部での作戦規模を縮小したもようだ。
紛争拡大への懸念を深めるバイデン米政権は、ブリンケン国務長官を再び中東に派遣。ブリンケン氏は8日、イスラエルに到着した。同氏とイスラエル政府首脳との会談を控え、軍には米国への配慮を示す狙いもあるとみられる。
軍は6日、ガザ北部で「ハマスの軍事構造を完全に解体した」と宣言していた。軍報道官は8日の記者会見で「北部には戦闘員も武器も残っているが、組織的な軍事枠組みの中では機能していない」として、現在はガザの中部と南部への攻撃に集中していると説明した。
イスラエル軍の8日の声明によれば、中部ブレイジでは長距離ロケットなどの製造拠点を発見。昨年10月のイスラエルとハマスの交戦開始以降に見つかった兵器の製造施設としては、最大規模という。
軍はまた、隣国シリアからイスラエルへのロケット弾攻撃を指揮していたハマス幹部をシリア南西部で8日に殺害したと発表。「シリアからのテロは許さず、いかなる脅威にも対抗する」とシリア側をけん制した。
さらに、イスラエルのカッツ外相は地元テレビで、8日に死亡したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの有力司令官について「われわれが暗殺の責任を負う」と述べ、攻撃したことを認めた。
[時事通信社]
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