2024-01-09 00:06国際

米長官、ガザ紛争の拡大防止要請=イスラエル、ヒズボラ幹部殺害か

 【エルサレム時事】中東歴訪中のブリンケン米国務長官は7日、カタールの首都ドーハで記者会見し、パレスチナ自治区ガザでの戦闘の拡大防止と持続的平和の確立に向け、中東諸国に協力を呼び掛けた。イスラエルのネタニヤフ首相が強硬姿勢を崩さない中、週内にイスラエルを訪れ、改めて民間人保護と人道支援の拡大を求める方針だ。
 3カ月が過ぎたイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘について、ブリンケン氏は「容易に転移し、さらなる不安定化と苦しみをもたらす恐れがある」と強調。「われわれにはそれぞれ影響力を行使し、緊張激化を防いで新たな戦線が開くのを抑止する責任がある」と訴えた。
 米国には、ガザの紛争が中東全体に波及する事態を避けたい思惑がある。ブリンケン氏は8日にはアラブ首長国連邦(UAE)でムハンマド大統領と会談。その後X(旧ツイッター)に、「地域での紛争拡大を防ぐ取り組みについて話し合った」と投稿した。
 一方、レバノンからイスラエルへの越境攻撃を続けているイスラム教シーア派組織ヒズボラは8日、精鋭部隊の有力司令官がレバノン南部で殺害されたと明らかにした。イスラエル軍の攻撃を受けたとみられ、ヒズボラが報復に乗り出す公算が大きい。レバノン国境沿いのイスラエル北部を訪れたネタニヤフ氏は同日、「あらゆる手段で北部の安全を取り戻す」と述べ、ヒズボラとの対決姿勢を鮮明にした。
 また、イスラエル軍は8日もガザ中・南部で攻撃を継続。南部ハンユニスで「イスラエル領内へのロケット攻撃を準備していたテロリスト10人を殺害した」と発表した。地下にある武器の保管拠点を含む重要な標的30カ所を攻撃したという。
 ガザ当局によれば、これに先立つ7日には南部ラファ付近で、パレスチナ人ジャーナリスト2人が空爆で死亡した。ハンユニスでも住宅地への攻撃で多数が犠牲になったといい、衝突開始後のガザでの死者は8日、2万3000人を超えた。 
[時事通信社]

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