2024-01-02 13:56社会

石川・能登で震度7=30人死亡、けが人多数―一時大津波警報

火災などの被害が発生し、煙が上がる輪島市内=2日午前、石川県輪島市(時事通信チャーター機より)
火災などの被害が発生し、煙が上がる輪島市内=2日午前、石川県輪島市(時事通信チャーター機より)

 1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があり、同県志賀町で震度7の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは16キロ。地震の規模(マグニチュード)は7.6と推定される。石川県では30人の死亡が確認された。総務省消防庁によると、富山、福井など6県で計30人が重軽傷を負った。
 気象庁は能登地方に大津波警報を発令、1日午後8時半に津波警報に切り替えた。山形、新潟、富山、石川、福井、兵庫各県に津波警報、北海道から長崎県までの日本海側などに津波注意報を出したが、2日午前1時15分にすべて注意報に切り替えた。注意報は同10時までに全面解除された。
 1日午後8時までに石川県輪島市で1.2メートル以上、金沢市で90センチ、山形県酒田市と富山市で80センチ、北海道せたな町で60センチ、新潟県柏崎市などで40センチの津波を観測した。
 建物倒壊や火災が相次ぎ、政府は特定災害対策本部を非常災害対策本部に格上げし、被害の全容把握を急いでいる。林芳正官房長官は1日夜の記者会見で、「石川県で建物倒壊等による生き埋めが6件発生している」と述べた。
 石川県によると、死者は輪島市で15人、珠洲市で6人、七尾市で5人、穴水町で2人、羽咋市、志賀町で各1人。地元消防によると、輪島市の火災で200棟ほどが焼けたとみられる。馳浩知事は自衛隊に災害派遣を要請した。
 気象庁は「令和6年能登半島地震」と命名。石川県で震度7を観測するのは初めてで、大津波警報は2011年の東日本大震災以来の発令となった。
 原子力規制委員会によると、停止中の北陸電力志賀原発(志賀町)では、外部電源の供給は続いており、使用済み燃料プールの冷却も続けられている。2号機の変圧器で爆破音と焦げたにおいがしたものの、発電所職員が火が出ていないことを確認したという。
 また、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)、関西電力の美浜(同県美浜町)、大飯(同県おおい町)、高浜(同県高浜町)の各原発にも異常は確認されていない。
 能登地方や能登半島沖では2日午前までに震度7の地震のほか、震度5強が3回、5弱が6回発生。周辺を含め、地震が活発に続いている。 
[時事通信社]

地震で倒壊したとみられるビル(中央)=2日午前、石川県輪島市(時事通信チャーター機より)
地震で倒壊したとみられるビル(中央)=2日午前、石川県輪島市(時事通信チャーター機より)
震度7を観測した石川県志賀町の崩れた道路=2日午前、同町
震度7を観測した石川県志賀町の崩れた道路=2日午前、同町
地震で地割れした輪島中学校のグラウンド=2日午前、石川県輪島市(時事通信チャーター機より)
地震で地割れした輪島中学校のグラウンド=2日午前、石川県輪島市(時事通信チャーター機より)
地震で倒壊したと思われる神社の鳥居=2日午前、石川県七尾市
地震で倒壊したと思われる神社の鳥居=2日午前、石川県七尾市

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