成長物語る右爪先=北口、堂々の金メダル候補に―陸上女子
無心で叫び、大逆転で成し遂げた偉業だった。8月の陸上世界選手権(ブダペスト)女子やり投げで、北口榛花(25)=JAL=は日本女子のトラック・フィールド種目で初の金メダルを獲得。陸上のパリ五輪代表入りを一番乗りで決めた。
昨年は銅だった世界選手権。関係者によると、直前に右脇腹の違和感を覚え、トレーナーのオイルマッサージを受ける状態。急ピッチの調整で、決勝の1投目には右脚がつるアクシデントもあった。メダル圏外の4位で迎えた崖っぷちの最終6投目で、自己2番目の記録(当時)となる66メートル73をマーク。目を潤ませ、「世界で一番幸せ」と頂点の喜びに浸った。
今季は自身の日本記録を2度塗り替え、今季世界最高の67メートル38まで伸ばした。最高峰ダイヤモンドリーグの上位選手で争うファイナルも制し、世界陸連の年間最優秀女子選手候補11人に選ばれた。
北口のスパイク製作を手掛けるミズノの亀井晶さん(53)は「物にこだわりを持ち始めてから、結果がついてきた」と証言する。2021年東京五輪の前ごろから北口の要望が細かくなり、他の投てき選手に比べて細いかかとにフィットするスパイクづくりに腐心している。
昨年は投てきの際に地面にこする右爪先のゴム製カバーを、シーズン途中に初めて交換。この部分の消耗が激しくなったことが、北口が長年課題としてきた助走スピードの向上を物語っていた。「彼女の頑張りがスパイクに出てきている」と亀井さん。今季は渡すスパイクの数をあらかじめ増やした。
着実に成長し、堂々の金メダル候補として臨むパリ五輪。「世界チャンピオンだが、五輪チャンピオンではない」。慢心することなく、2度目の大舞台に挑む。
[時事通信社]
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