ウクライナ追加支援、めど立たず=ゼレンスキー氏訪米、乏しい成果―米議会承認、越年か
【ワシントン時事】バイデン米大統領は12日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談し、同国への支援を継続する姿勢を強調した。しかし、予算編成権を握る米議会で、大規模なウクライナ追加支援を盛り込んだ補正予算案が早期に承認されるめどは立っていない。ゼレンスキー氏は今回の訪米で議会関係者に直接働き掛けたが、成果は乏しかった。
「年末までに、侵略者(ロシア)に対し、われわれの団結の強いシグナルを送ることが非常に重要だ」。ゼレンスキー氏は首脳会談後の共同記者会見で、米議会に補正予算案の年内承認を促した。
昨年2月のロシアによる侵攻開始以来、3度目となったゼレンスキー氏のワシントン訪問。バイデン氏が具体的に提示できたのは、約2億ドル(約300億円)の弾薬などの支援にすぎない。マッカーシー前下院議長の解任をはじめとする議会の混乱もあり、予算の裏付けを失った米政府によるウクライナ支援は底を突きつつある。
バイデン氏は10月、ウクライナへの追加支援約614億ドル(約9兆円)などを柱とする補正予算案を議会に要求した。しかし、下院で過半数を握る野党共和党は「米国の安全保障が最優先でなければならない」(ジョンソン下院議長)と強硬姿勢を示し、移民対策の強化を条件に突き付けた。
今回の訪米で、ゼレンスキー氏は事態を打開すべく、議会の説得を試みた。ジョンソン氏と会談したほか、与野党双方の上院議員の質問に答える機会も設けた。
だが、共和党内でもウクライナ支援に理解を示す上院トップ、マコネル院内総務は記者団に、クリスマス休暇前の承認は「事実上不可能だ」と指摘。仮に与野党がすぐに合意しても審議時間が限られており、承認は来年1月以降にずれ込む可能性が高いとの見方を示した。また、「合意を得る唯一の方法は、バイデン氏が(与野党の交渉に)関与することだ」とも強調した。
ゼレンスキー氏との会談後、バイデン氏は共和党との妥結を目指す方針を改めて示したものの、不信感は根強い。「ウクライナ支援を『人質』に取り、共和党の極端な主張を押し通すのは、民主主義ではない」と批判した。
[時事通信社]
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