2023-12-09 17:54政治

内閣不信任で立民逡巡=裏金疑惑拡大も「突出」懸念

 臨時国会の会期末を13日に控え、野党第1党の立憲民主党が岸田内閣に対する不信任決議案を提出するかどうか決めかねている。自民党派閥の政治資金パーティー収入裏金化疑惑の広がりを受けて積極論が強まる一方、共産党を除く他の野党の同調をどこまで得られるか見えないためだ。11日の執行役員会で対応を協議する。
 「もう内閣そのものに正統性がない」。立民の泉健太代表は9日、静岡市内で記者団に岸田政権は国民の信任を失っているとの認識を表明。ただ、衆院への不信任案提出は「何が最も岸田政権を変えるために必要なのか、最終的に決めたい」と答えるにとどめた。
 立民は安倍派の疑惑を中心に国会で追及してきた。内閣支持率は低迷しており、ベテランは「不信任案を100回出しても足りない」と強調。閣僚経験者は「与党に踏み絵を踏ませるためにも出すべきだ」と訴える。
 それでも泉執行部が逡巡(しゅんじゅん)するのは、野党側の足並みが乱れれば逆効果になりかねないと懸念するためだ。
 共産党は不信任案が出れば賛成する方向。一方、政権への接近が目立つ国民民主党は反対に回るとみる向きが多い。次期衆院選の野党協力をにらめば、立共2党で突出する形は避けたいとの思惑が立民にある。安住淳国対委員長は「政治的に有効か見極めたい」と語る。
 カギとなるのは野党第2党の日本維新の会だ。馬場伸幸代表は8日の会見で「立民はあれほど予算委員会で追及するなら、不信任案を堂々と出すべきだ」と指摘し、賛成する可能性に言及した。
 ただ、維新はかねて不信任案提出を「会期末の茶番劇」とやゆしてきた。立民側には不信感が根強く、ある中堅は「世論と維新の動向を見定めて決めるのだろう」と執行部の胸中を推し量った。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集