「想定内」「選手は複雑」=ロシア勢のパリ五輪参加容認で
ウクライナへ侵攻を続けるロシアと同盟国ベラルーシの選手が来夏のパリ五輪に出場する道筋が付いた。国際オリンピック委員会(IOC)は8日の理事会で、国を代表しない「中立」の個人資格など条件付きで参加を認めることを承認した。
1月にIOCが方針転換してから一部の競技で国際大会復帰容認の動きが進んでおり、全日本柔道連盟の金野潤強化委員長は「想定内。驚いてもいない」。日本水泳連盟の鈴木大地会長は「IOCや国際競技団体(IF)が決めた方針に従う。実力を高めてこれまで通り戦うだけ」と語った。
団体競技の参加は認められず、出場権を獲得した選手も少ない。影響は限定的になりそうだが、トランポリン男子の石川和(ヒロセホールディングス)は「ベラルーシは強い選手が数人いて怖い。心のどこかでは強い選手がいる中で戦いたい思いもある」と話した。
スポーツクライミング日本代表の安井博志ヘッドコーチは、戦闘状態が収まらない限り「感情があおられ、複雑な思いを抱かせる」として、対戦した選手の心理面への影響を不安視。公務員として働くロシア選手が多い競技もあり、IF関係者から「中立」の担保を懸念する声も聞かれた。
[時事通信社]
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