ガザ集合住宅空爆、SMSで事前告知 情報アクセスできない人も
【ハンユニス(パレスチナ自治区)AFP=時事】パレスチナ自治区ガザで2日、カタールの援助で建てられた複合型集合住宅がイスラエル軍の攻撃を受けた。カタールが仲介交渉に尽力した戦闘休止合意は1日に失効した。≪写真は、イスラエル軍の攻撃を受けたパレスチナ自治区ハンユニスの集合住宅「ハマドタウン」と避難した住民≫
モスク(イスラム礼拝所)や店舗、庭園などが入る複合型集合住宅「ハマドシティーは、ハンユニスで2016年に完成した。施設内の1000戸以上が、2年前のイスラエルとハマスの戦闘で自宅に被害を受けたパレスチナ人に提供されていた。
イスラエル軍は2日正午頃、同地区の住民に向けて「即時」避難を促すショートメッセージ(SMS)を送信した。民間人の犠牲を最小限にするための試みだとしている。
空爆はメッセージ送信から約1時間後に実施された。2分間で5回の爆撃があった。
イスラエル軍はガザ地区を2300の「小さな区域」に分け、「ハマス壊滅」を理由に攻撃を実施する際に、目標の区域の住民に避難を促すSMSを送信している。
ショートメッセージについて、国連人道問題調整事務所(OCHA)は、警告のメッセージを受信できても具体的な避難先が示されていないと指摘する。
ある40代の男性公務員は「インターネット、電気へのアクセスはなく、情報収集のためのラジオさえ持っていない」とし、また「(区域の)地図を見たことはない」と訴えた。
OCHAによるとガザで最も脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれているのは、推定170万人の避難民だという。避難民の多くは電話を利用できず、空から投下されるビラで情報を得るしかないのが現状だ。【翻訳編集AFPBBNews】
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