路線バス、減便・廃止8割=「運転手不足」で維持困難に―帝国データ
帝国データバンクは22日、路線バスを運行する民間事業者127社のうち、8割近くが今年中に路線を縮小・廃止するとの調査結果を公表した。来年4月の残業規制強化で運転手不足が懸念される「2024年問題」への対応のほか、コロナ禍による利用者減少や燃料費高騰が経営を圧迫しているため。公共交通の一翼を担う路線バスの維持が、各地で困難となりつつある現状が改めて鮮明となった。
調査によると、23年中に1路線以上を縮小・廃止する事業者は98社と全体の77.2%。24年以降の予定や検討を含めると103社(81.1%)で、帝国データは「来年4月のダイヤ改正でさらに増える可能性が高い」と指摘する。
調査対象は30路線以上を持つ民間バス事業者。減便・廃止はほぼ全ての都道府県に及び、首都圏でも郊外間を結ぶ路線や早朝・深夜便などで目立った。
理由では、運転手不足を挙げるケースがほとんど。運転手の高齢化のほか、現状のダイヤでは残業規制に対応する十分な人材を確保できないことなどが要因となった。また、沿線の人口減による採算の悪化で減便・廃止に踏み切った例もあった。
この結果、帝国データは全国約1万4000路線のうち、少なくとも約1割に影響が及ぶ可能性があると分析。さらに、運転手不足は「短期的な解決が難しい」とし、利用者が多い市街地路線でもダイヤ縮小や路線統合が一層進む公算が大きいとの見方を示している。
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