中国勢、新モデル続々=日系は正念場―広州モーターショー
【広州時事】中国南部・広東省広州市で17日開幕した広州モーターショーでは、地元の中国勢が電気自動車(EV)の新モデルを続々と公表し、存在感を示した。一方、販売面で苦戦する日系メーカーからは「事業存続に向けた正念場」(大手幹部)との声も聞かれた。
中国政府は10年以上前から補助金などを通じてEV産業の育成に注力。これが奏功し、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など新エネルギー車(NEV)が新車販売に占めるシェアは直近で3割を超える。
「NEVが自動車業界を席巻している」。中国EV最大手、比亜迪(BYD)の幹部は記者会見でこう強調した。披露したのはスポーツ用多目的車(SUV)のEVで、会場に人が入りきらないほどの高い関心を集めた。広州汽車集団なども新型EVを展示した。
一方、中国では値下げ合戦に敗れ、経営破綻に追い込まれるメーカーも目立ち始めた。中国メディアによると、新興EVの蔚来汽車(NIO)は従業員を10%減らす。中国EV大手の関係者は「競争は激烈だ。必死にアピールしないと生き残れない」と明かした。
日本勢のうち、トヨタ自動車の合弁会社はセダンタイプのハイブリッド車(HV)を公開。日産自動車の合弁はSUVのガソリン車などを出展した。日系大手幹部は「本当はEVの新モデルをどんどんアピールしたいが、玉が足りない」とこぼす。中国ではEVの普及に伴い、ガソリン車の市場が毎月10万台のペースで縮小したとの統計も出ており、逆風は強まるばかりだ。
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