安楽、挫折経てパリへ=躍進遂げた17歳―スポーツクライミング
スポーツクライミング男子の安楽宙斗(千葉・八千代高)がジャカルタで今月行われたパリ五輪アジア予選の複合を制し、初の五輪切符をつかんだ。今季、目覚ましい躍進を遂げた17歳。「もっと強くなって、圧倒的な1位になれるように頑張りたい」と意気込んだ。
アジア予選決勝は独壇場だった。ボルダーは出だしから3課題続けて一発でクリアし、全4課題を完登。続くリードもただ一人、頂上まで登り切った。合計200点満点で199.7点。2位に30点以上の大差をつけ、「いつも通りに近い力が出せた」と振り返った。
3位以内に入れば五輪出場権獲得が決まった8月の世界選手権は4位に終わった。リードでは世界ユース選手権を2021、22年と連覇するなど同世代で敵なしだったが、その得意種目で本来の力を発揮できず、「負けることが単純に悔しい」と涙ぐんだ。
初めての挫折をバネにした。世界選手権後はリードで求められる持久力を強化。難易度の高い壁を繰り返し登って、粘り強さが増した。アジア予選決勝では「腕が張ってこれ以上いけない時に体で押し上げることができた。改善できて変化が見られた」と胸を張った。
昨年から本格的に筋力トレーニングを始め、今春のシーズン開幕当初より上半身にも厚みと力強さが増した。「ボルダーが強くなれば、リードの一手一手の動きももっと簡単になると思う。ボルダーに通ずる筋肉を鍛えたい」と意欲的だ。
今季初参戦したワールドカップでボルダーとリードの年間総合王者に輝き、今秋の杭州アジア大会で複合を制した。充実のシーズンを経て、金メダルが期待される来夏のパリ五輪へ。「今より強くなって、成長し続けたい」。日本の新エースとして、さらに研さんを積む。
[時事通信社]
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