2023-11-16 19:07経済

脱炭素、反汚職で実質妥結=閣僚会合を毎年開催―IPEF

IPEFの4分野
IPEFの4分野

 【サンフランシスコ時事】日米、インド、オーストラリアなど14カ国は16日、新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に関する共同声明を発表した。全4分野のうち、脱炭素を目指す「クリーン経済」、反汚職など「公正な経済」の2分野で実質妥結した。閣僚会合を毎年開催し、協力体制や実行状況を確認することでも一致した。
 5月に実質合意した「サプライチェーン(供給網)」では、協定に署名。各国の国内手続きを経て、供給網強化に向けた相互支援や情報共有の枠組みが動きだす。交渉入りから約1年で、「貿易」を含めた全4分野のうち、3分野で成果を出した。貿易分野は、協議を続ける。 
 共同声明によると、クリーン経済分野では、脱炭素化を推進。「それぞれの道筋」で二酸化炭素(CO2)排出量の「ネットゼロ」を目指すと表明した。多様な取り組みを認めることで、新興国に配慮を示した。加盟国が脱炭素化に関連する共同事業を立ち上げる仕組みも設ける。日米などが拠出して基金を新設し、新興国の取り組みを後押しする。
 公正な経済分野では、「反汚職の取り組みを強化し、税制の透明性向上などを支援する」と説明。海外からの投資を呼び込む環境整備を促す。汚職などの通報者保護も盛り込んだ。
 加盟国は、協力体制を確認する評議会と、実行状況を検証する合同委員会を立ち上げ、それぞれ毎年閣僚会合を開く。
 IPEFは、覇権主義的な行動を強める中国への対抗を念頭に、4分野で共通ルールを設ける枠組み。バイデン米大統領が昨年5月に立ち上げを発表した。13、14両日に米サンフランシスコで閣僚会合を開き、詰めの協議をしていた。16日の首脳会合で成果を確認する。

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