伊方原発差し止め請求棄却=具体的危険「立証されず」―集団訴訟で判決・松山地裁

四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は安全性に問題があるとして、周辺住民ら約1500人が同社に運転差し止めを求めた集団訴訟の判決が18日、松山地裁であった。菊池浩也裁判長は「原告らの生命、身体などを侵害する具体的危険があると立証されたとはいえない」と述べ、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
伊方原発を巡る同種の集団訴訟では、大分地裁が昨年3月、広島地裁が今月5日、住民側の請求を棄却。このほか山口地裁岩国支部で審理が続いている。
菊池裁判長は判決で、原子力規制委員会の新規制基準は、各専門分野の最新の知見を集約して策定されており、原発施設の設計の際に想定する最大の揺れ「基準地震動」の算定も合理的と判断した。
その上で、原告側が主張した阿蘇山(熊本県)で発生した過去最大クラスの破局的噴火が起きる可能性を想定すべきだとした点について、「運用期間中に、巨大噴火の可能性を示す科学的に合理性のある具体的な根拠は見当たらない」と指摘。実効性の有無が争われた避難計画についても、重大事故が起きる恐れがあると言えず「合理性の有無について検討するまでもない」とし、同原発の安全性評価や基準に適合するとした規制委の判断に「不合理な点はない」と結論付けた。
[時事通信社]

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