カナダはEUに加盟できるか 資格は「欧州の国」
【ブリュッセルAFP=時事】カナダは欧州連合(EU)に加盟できるか。一見非現実的に思われるかもしれないが、欧州委員会の報道官は12日、EU加盟に関心を持ってくれたのは光栄だが、第一に欧州の国であることが加盟資格となっていると指摘した。≪写真はカナダ国旗〈左〉と欧州旗≫
ドナルド・トランプ米大統領から関税発動と圧力を受けてカナダとEUが接近する中、両者が運命を共にするという考えは、一部のコメンテーターによって半ば本気で提案されている。
調査会社アバカス・データが2月下旬にカナダ人1500人を対象に同国はEUに加盟すべきかを尋ねたところ、44%がイエス、34%がノー、残りは分からないと回答した。この調査の結果は今週公表された。
この調査結果について欧州委員会のポーラ・ピーニョ報道官は12日の記者会見で、「驚くことではない。EUとカナダは志を同じくするパートナーで、非常に多くの価値観を共有し、強い歴史的つながりを持っている」として、「世論調査結果は光栄」であり、EUにそれだけの「魅力」があるためだろうと続けた。
だが、カナダに加盟資格があるかどうかを問われると、「ノー」と明言こそしなかったが、EU条約に定められた加盟資格に言及し、「EU加盟については、条約に定められた基準がある」と述べた。この基準によれば、カナダは対象外のようだ。
■「欧州の国」についての定義
EU条約第49条では、自由、民主主義、平等などの価値観を尊重する「いかなる欧州の国も」加盟を申請することができるとされている。
「欧州」の国についての定義はないが、カナダは欧州だと主張するのは少々無理があるかもしれない。
カナダ国民はEUの主な実務用語である英語とフランス語の両方を話し、デンマーク領グリーンランドと隣接している。カナダと同じくグリーンランドに対しても、トランプ氏は併合への意欲をあらわにしている。
だが、カナダもグリーンランドも旧大陸とは海で隔てられている。
1987年にはモロッコがEU加盟を申請したが、欧州の国ではないとして認められなかった前例がある。
一方、アルバニアとボスニア、ジョージア、モルドバ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビア、トルコ、ウクライナの申請は受理され、加盟交渉中となっている。
カナダは既にEUと自由貿易協定を締結。EUは米国に次ぐ第2位の輸出相手先となっている。
トランプ氏はカナダに対し、米国51番目の州になるよう繰り返し要求している。これを受け、マルコ・ルビオ国務長官は12日、今週カナダのケベック州で開催される先進7カ国(G7)外相会合でカナダ併合が議題に上ることはないと表明するに至った。【翻訳編集AFPBBNews】
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