〔国際女性デー50年〕選択的夫婦別姓=国会議員アンケート・識者談話
◇選択を認める社会を
木野綾子弁護士の話 今が選択的夫婦別姓導入のタイミングだ。制度を正しく理解し、自由や選択の余地を認める方向で、国際社会に合わせた日本になってほしい。慎重派は家族の一体感が薄れると言うが、姓と一体感は全く関係ない。子どもへの悪影響という点も、別姓を認めれば親子で姓が違うのが当たり前になり、何とも思わなくなるだろう。今の制度で離婚し妻や子どもが旧姓に戻す方が、プライバシーをさらすことになり、心理的に負担だ。慎重派の多くが「旧姓の通称使用拡大」で対応できると答えたが、何の担保もない。一部金融機関や国際社会では十分に対応できないし、アイデンティティーの問題も残る。別姓の強制ではなく選択制であり、他人の自由を認める社会を望む。
◇党議拘束巡る首相判断焦点
中北浩爾・中央大教授(政治学)の話 選択的夫婦別姓反対の自民党保守派は、多数ではないが強い信念を持つ「ノイジーマイノリティー」だ。賛成派には高いプライオリティー(優先順位)を置かない人や落選運動が怖くて答えない人がいる。自民内の賛否は拮抗(きっこう)していると思われるが、「強固な反対派」と「緩い賛成派」の構図で反対派に引きずられてきた。焦点は自民が党議拘束をかけるかどうかだ。「旧姓の通称使用拡大」でまとめるか、党内議論を先送りし野党案反対で党議拘束をかける可能性がある。石破茂首相の党総裁としての決断が問われる。各党の賛成派は法案を今通さなければモメンタム(勢い)を失う。「子の姓」(を巡る違い)にこだわらず、まとまる必要がある。
[時事通信社]
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