英王立協会、マスク氏追放を検討 「陰謀論」流布など非難
【ロンドンAFP=時事】科学分野で国際的に権威のある英王立協会が、実業家イーロン・マスク氏の追放を検討している。≪写真は実業家のイーロン・マスク氏≫
1660年に設立された同協会は「世界で最も著名な科学者の多くが集う協会」を称し、科学界で重要な発言力を持つ。過去の会員にはアルバート・アインシュタイン、アイザック・ニュートン、チャールズ・ダーウィン、ドロシー・ホジキン、ベンジャミン・フランクリン、スティーブン・ホーキングらの名前が並ぶ。
宇宙開発企業スペースXや電気自動車(EV)大手テスラ、SNSのX(旧ツイッター)を所有するマスク氏は、2018年にフェロー会員に選ばれた。
だが、ノーベル賞受賞者を含む3000人以上は先月、マスク氏が「根拠のない陰謀論を広め」、協会の行動規範に違反したと非難する公開書簡を発表。2022年にツイッターを買収したマスク氏がその後のXに加えた変更が、誤情報の急増を引き起こしたと批判した。
またマスク氏が自身のアカウントを使い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ワクチン、流産、心臓疾患に関する不正確な主張を繰り返し発信している点も問題視している。
マスク氏追放を検討する3日の会議を前に、マスク氏自身は「臆病で自信のない愚か者だけが、賞や会員資格を気にするものだ」と反発した。
マスク氏が反応したのは、昨年のノーベル物理学賞受賞者で「AIのゴッドファーザー」として知られるジェフリー・ヒントン氏のXへの投稿だった。ヒントン氏はマスク氏追放を求める理由として、「陰謀論を広めたり、ナチス式の敬礼をしたりするからではなく、彼が米国の科学機関に甚大な損害を与えているからだ」と指摘した。【翻訳編集AFPBBNews】
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