ブラピと交際と思い込んだロマンス詐欺被害者、ネットで中傷の標的に 仏
【パリAFP=時事】米俳優ブラッド・ピットさん(61)に成り済ました詐欺師に長年ためてきたお金をだまし取られたことをテレビで明かしたフランス人女性(53)がネットで誹謗(ひぼう)中傷の標的にされ、14日に同テレビ局のプラットフォームからインタビューが取り下げられる事態となった。≪写真は、第81回ベネチア国際映画祭で、映画『ウルフズ』の上映に合わせてレッドカーペットに登場した俳優のブラッド・ピット〈中央〉とガールフレンドのイネス・デ・ラモンさん≫。
アンヌとされるこの女性は、民放TF1の番組「Seven to Eight」で、ピットさんと恋愛関係にあると信じて夫と離婚し、83万ユーロ(約1億3500万円)をだまし取られたと語った。
詐欺師らはSNSや通信アプリ「ワッツアップ」の偽アカウントや画像生成人工知能(AI)を使って、ピットさんからのものに見せ掛けた自撮り写真やメッセージをアンヌさんに送信。
お金を引き出すためにピットさんに成り済まし、腎臓の治療のためにお金を必要としているが、元妻のアンジェリーナ・ジョリーさんとの離婚手続きのために銀行口座が凍結されていると偽っていた。
アンヌさんはインテリアデザイナーで、メンタルヘルスの問題を抱えている。1年半にわたってピットさんと連絡を取り合っていると思い込んでいたが、ピットさんがイネス・デ・ラモンさんと交際しているとの報道を見て初めてだまされていたことに気付いた。
TF1の司会者、ハリー・ローズマック氏は14日、「12日にこの話が放映されて以降、証言者(アンヌさん)に対する嫌がらせが相次いでいる」とX(旧ツイッター)に投稿。「被害者保護のため、私たちはこの話をプラットフォームから取り下げることにした」と説明した。
同チャンネルによれば、アンヌさんは放映当時、重度のうつ病を患い、病院で治療を受けていた。
■「地獄に落ちればいい」
アンヌさんが公然と撮影され、家族写真まで公開されたこのインタビューは、放映翌日の13日に拡散され、嘲笑的なコメントやジョークが殺到した。一方で、被害を公表することによる影響を把握していなかった可能性もある弱い立場の個人を守らなかったとして、TH1を非難する声もあった。
アンヌさんの話をネタに、フランスのサッカーチーム、トゥールーズFCは「ブラッドは(次の試合のために)15日にスタジアムに来ると言っていた」とXに投稿。後にメッセージを撤回して謝罪した。
ネットフリックス・フランスもソーシャルメディアで、「ブラッド・ピットと(本当に)無料で会える4本の映画」と宣伝した。
ロマンス詐欺は、電子メールの登場以降、インターネットで横行しているが、専門家はAIの台頭によって成り済ましやオンライン詐欺のリスクが高まっていると警告している。
アンヌさんはTF1に対し、家族とフランスでスキー旅行をしていた時にインスタグラムを使い始め、その後間もなく、ピットさんの母親に成り済ました人物から初めて連絡があり、「息子にはあなたのような人が必要だと言われた」と説明した。
その数日後、今度はピットさんを装った詐欺師らからメッセージが送られてきたという。
アンヌさんはTF1に対し、「最初は偽者だ、こんなことあり得ないと自分に言い聞かせた」「でも、ソーシャルメディアに慣れておらず、自分に何が起きているのかよく分かっていなかった」と語った。
「こんなにひどいことをするために、なぜ私を選んだのかと自問自答している」「私は誰にも危害を加えたことはない。だました人間たちは地獄に落ちればいい」と訴えていた。【翻訳編集AFPBBNews】
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