強風再び、延焼警戒続く=消火難航、10万人が避難―LA山火事1週間
【シリコンバレー時事】米カリフォルニア州ロサンゼルスを襲った山火事は14日、発生から1週間を迎えた。強風にあおられ、火の手が広がり、消火活動は難航。地元当局によると、これまでに150平方キロメートル以上が焼失。少なくとも24人の命が奪われ、10万人弱が今も避難命令の対象となっている。一時やんでいた強風が13日から再び吹き始め、15日まで続くとの予報が出ており、消防当局は封じ込めに全力を挙げている。
国立気象局(NWS)は13日、カリフォルニア州南部に強風の予報を出し、「15日まで極めて危険な気象条件が続く見込みだ」と警戒を呼び掛けた。山火事は、強風と乾燥によって急速に範囲を拡大。当初は、航空機による空中からの消火もままならないほど、風は激しかった。
火事が広がった地域のうち、火の勢いを抑えた面積の割合を示す「鎮圧率」は、甚大な被害が出ているイートン地区で33%、パシフィックパリセーズ地区で14%にとどまっている。安否不明者は多数とみられ、建物は1万棟以上が燃えた。
消火栓から水をくみ上げられない状況も事態を悪化させた。原因は水圧低下で、ニューサム州知事は詳細な調査を地元水道局に求めている。修繕のため、貯水池の一つが空になっていたことも問題視されている。
出火元は明確ではない。米メディアによると、一部の地域で、放火を試みたとして拘束された者がいる。ただ、山火事と直接関連しているのかは不明だ。送電塔から炎が上がったとの報道もある。
SNSでは陰謀論が拡散している。「兵器によって火事を起こした」「バイデン大統領がロサンゼルス訪問中に消防用の航空機の飛行を制限した」といった虚偽の情報が駆け巡る。カリフォルニア州は民主党支持者が多く、ニューサム知事も民主党に所属。トランプ次期大統領は、収束が見通せない中、自身のSNSで「政敵」である知事を「非常に無能」などと批判を連日展開。辞任を要求しており、政治問題にもなっている。
[時事通信社]
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