どちらが勝利でも日本車に恩恵?=米大統領選後EV政策修正―調査会社
【ニューヨーク時事】11月の米大統領選で共和党のトランプ前大統領と民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、電気自動車(EV)を推進するバイデン政権の政策が修正され、ハイブリッド車(HV)に強みを持つ日系メーカーに追い風になるとの分析が調査会社から出ている。トランプ氏は政府によるEV支援に否定的。ハリス氏が勝っても、議会選で上下両院の多数派が異なる「ねじれ」が生じ、政策がやや後退する可能性が高いという。
米調査会社S&Pグローバル・モビリティーは、現状の政策などに基づき、2030年に米新車販売に占めるEV比率を40%と推計。ただ、トランプ氏が勝ち、議会がねじれとなるシナリオでは29%、上下両院ともに共和党が押さえるケースでは21%にまで低下すると見込む。
ハリス氏が勝ち、上下両院とも民主党が多数派になる場合は40%のままとしたが、この実現性は低いとみる。より確率が高いシナリオとして、議会のねじれが発生し、ハリス氏がEV政策の修正を迫られることで35%に下がるとの見通しを示した。
エグゼクティブ・ディレクターのマイク・ウォール氏は「トヨタ自動車やホンダといった日系メーカーは、トランプ氏とハリス氏のどちらが勝っても恩恵を受ける可能性が高い」と指摘。その上で、トランプ氏が勝利すれば「さらにハイブリッドの強みが生きるだろう」と述べた。
一方、日系メーカーの関係者は「いずれの候補が勝っても、中長期的に市場の電動化が進む方向性は変わらない。粛々と取り組む」と強調。トランプ氏については、中国やメキシコに対し関税を引き上げる考えを表明していることから「影響に注意する」と警戒感を示した。
[時事通信社]
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