たんぱく質設計、予測の米英3氏=グーグルAI技術者ら―ノーベル化学賞
スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2024年のノーベル化学賞を、新しいたんぱく質を設計する技術を開発した米ワシントン大のデービッド・ベーカー教授(62)、人工知能(AI)でたんぱく質の立体構造を予測する技術を開発した米アルファベット傘下のグーグル・ディープマインド社のデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)(48)、同社のジョン・ジャンパー上級研究員の米英3氏に授与すると発表した。
たんぱく質は生命の基本的構造要素で、20種類のアミノ酸で構成。ひも状に連なったアミノ酸は複雑に折り畳まれ、立体構造を作ることで機能を発揮する。3氏の技術により、新たなたんぱく質を作り出したり、立体構造を予測したりできるようになったことで、創薬や病気の解明などさまざまな応用につながった。
ベーカー教授は、作りたいたんぱく質の構造から、必要なアミノ酸配列を示す「ロゼッタ」と呼ばれるコンピュータープログラムを開発。2003年に、提示されたアミノ酸配列の遺伝子を細菌に導入すると、実際に目的のたんぱく質が得られることを明らかにした。
ハサビス氏は16、17年に囲碁のトップ棋士に勝利したAIモデル「アルファ碁」を開発。その技術を応用し、たんぱく質の立体構造を予測する「アルファフォールド」を作った。20年には、ジャンパー氏が加わって高精度化され、存在が分かっている2億種類以上のたんぱく質ほぼすべての立体構造をアミノ酸配列から予測できるようになった。
授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれ、賞金1100万スウェーデンクローナ(約1億6000万円)の半分がベーカー氏に、残り4分の1ずつがハサビス、ジャンパー両氏に贈られる。
◇受賞決定者の略歴
デービッド・ベーカー氏 1962年米国生まれ。89年カリフォルニア大バークリー校で博士号取得、その後ワシントン大教授。2021年生命科学ブレークスルー賞受賞。22年ワイリー賞をデミス・ハサビス、ジョン・ジャンパー両氏と共同受賞。
デミス・ハサビス氏 76年英国生まれ。09年ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)で博士号取得。エリクサースタジオなどを経て10年にグーグル・ディープマインド社を共同で創業、最高経営責任者(CEO)。23年ラスカー賞とガードナー国際賞、生命科学ブレークスルー賞をジャンパー氏と共同受賞、24年慶応医学賞受賞。
ジョン・ジャンパー氏 85年米国生まれ。17年シカゴ大で博士号取得、ディープマインド入社。その後上級研究員。
[時事通信社]
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