警察の個人情報収集「違法」確定へ=岐阜県、上告を断念
岐阜県大垣市での風力発電施設建設を巡り、県警大垣署の警察官が住民の個人情報を収集し、業者に提供したのは違法として、住民4人が県などに賠償と収集した個人情報の抹消を求めた訴訟で、県は2日、賠償と一部情報の抹消を命じた名古屋高裁判決について、上告を断念すると発表した。原告側も上告しない方針を明らかにしており、判決は確定する見通し。
県警警務部は、判決で命じられた情報の抹消は既に行ったとした上で、「上告審で当方の主張を十分に立証することは困難だと判断するに至った。法令に基づき、不偏不党かつ公平中正に職務にまい進したいと考えている」とするコメントを出した。
名古屋高裁は9月、大垣署の警察官が風力発電施設の反対運動につながる活動を妨害するため、勉強会を開くなどした原告の個人情報を収集し、中部電力の子会社の担当者に学歴や病歴、思想信条などの情報を提供したと認定。こうした行為は公正な職務遂行を定めた警察法に反し、明らかに違法だとし、原告1人当たり110万円の賠償と情報の一部抹消を県に命じていた。
県の上告断念を受け、原告側は「判決確定を歓迎する。公安警察の制度を考えれば、国も判決を重く受け止めるべきだ」とするコメントを発表した。
[時事通信社]
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