初代表の岡、偉業達成=「金3個」パリの主役に―体操〔五輪〕
初代表の岡が、「体操ニッポン」の歴史でひときわ輝く偉業を成し遂げた。団体総合と個人総合の金メダルに加え、種目別平行棒で銅、そして最後の鉄棒は金メダルで締めた。「奇跡ですね」。日の丸に身を包み、はにかんだような笑みを浮かべた。
平行棒は外国勢にミスが相次ぐ中、最後に登場して安定した演技を披露。着地も止めて銅メダルを手にした。オールラウンダーの20歳が、スペシャリストとしても戦えることを証明した。
ドラマはまだ終わらなかった。花形種目の鉄棒は、杉野らほとんどの選手に落下などの大きなミスが出る大波乱。2番手で演技した岡は「コールマン」、「トカチェフ」などの離れ技をしっかりと成功させ、着地も止めた。予選5位がまさかの金メダルをつかみ、「ミスなくやり切れたのが金メダルにつながった」。
ジュニア時代の指導は厳しく、壁を使った倒立は毎日1時間ほども続いた。両手は汗でびっしょりになるほど。ただ、基礎を徹底的にたたき込まれたことで、中学3年ごろになると倒立はもはや「休憩みたい」と思える境地に達した。
平行棒の決勝でも倒立技の美しさは五輪や世界選手権のメダリストたちと遜色なく、出来栄えを示すEスコアは8人のうち2番目の高さ。鉄棒は難度点の合計で2位のコロンビア選手と同点だったが、タイブレーク規定ではEスコア上位が優先される。まさに、「美しい体操」でつかんだ栄冠だった。
パリ五輪代表選考会を通過後、「橋本(大輝)選手と中国選手に勝つ」と宣言。世界選手権にも出場経験がない五輪初代表の気負った発言にも聞こえたが、団体総合で中国を破る原動力になり、個人総合でもミスを抑えて見事に有言実行。
1大会で金3個は、尊敬する「キング」内村航平も手にできなかった。岡は「もっと強くなり、航平さんのように常に勝ち続けられる選手になりたい」。最高の結果を残し、パリの主役の一人になった。 (時事)
[時事通信社]
最新ニュース
写真特集
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕
-
【スポーツクライミング】安楽宙斗〔パリ五輪〕
-
【カヌー】羽根田卓也〔パリ五輪〕