杉野、メダル争いできず=鉄棒で悔しさぶつける―体操〔五輪〕
直前の女子種目別跳馬決勝にバイルスが登場した時の盛り上がりから一変し、あん馬の決勝は観客が固唾をのんで見守った。五輪や世界選手権の優勝経験者が勢ぞろい。「すごく特別な空間。絶対に金メダルを取りたい」。初代表の杉野は覚悟を決め、右脚をダイナミックに振り上げて演技を始めた。
序盤の流れはスムーズ。だが、徐々にスピードが落ち、腰も少し曲がった。一つの取っ手で3度回る大技が入った「Hコンバイン」を含め、技の難度を示すDスコア6.7はトップクラスだったが、出来栄えを示すEスコアが低く、メダル争いはできなかった。
東京五輪や世界選手権代表を逃して何度も涙を流しながら、ようやく五輪代表の座をつかんだ。団体総合では金メダル獲得に貢献。ただ、あん馬のスペシャリストとして戦うには、やはりEスコアの上積みが必要だった。
銅メダルの選手との差は0.367点。トップレベルまでの距離感を問われると、「届くとは思っている。絶対に世界で優勝できる、金メダルが取れると思って練習していきたい」。最後に残った種目別鉄棒の決勝で、この悔しさをぶつける。 (時事)
[時事通信社]
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