「ここにいることに意味」=難民選手団旗手ヌガンバが8強入り―ボクシング〔五輪〕
厳しい境遇にある人々の思いを拳に込めた。難民選手団の旗手を務めたボクシング女子75キロ級のヌガンバが、第3シードのカナダ選手を3―2の判定で破って8強入り。「私がここにいることは、大きな意味がある」。勝ち名乗りを受けた瞬間、喜びのあまり左手を口に当てた。
いきなりの窮地をはね返した。開始早々に左の強打をもらってスタンディングダウン。それでも心は折れず、「落ち着いて戦術を貫こう」と考えた。右を見せてから左を返すなど盛り返した。
カメルーン出身で、幼少期に父のいる英国に移住した。18歳の時、母国では違法な同性愛者だと明かした。「私は人生で多くの困難を見てきた」
試合後は報道陣に何度も止められ、そのたびに丁寧に対応。準々決勝に勝てば、難民選手団初のメダルとなる。逆境のつらさを知るヌガンバは「私は世界中の難民の一人にすぎない。でも、どんなことでも乗り越えられると知ってほしい」と強調した。 (時事)
[時事通信社]
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