トランプ氏警護チーム、銃撃犯に発砲まで気付かず 大統領警護隊
【バトラー(米国)AFP=時事】米大統領警護隊(シークレットサービス)のロナルド・ロウ長官代行は30日、ドナルド・トランプ前大統領が銃撃されるまで、対狙撃チームも警護チームも、屋上の銃撃犯の存在には気付いていなかったと明らかにした。≪写真は、米上院合同委員会の公聴会で証言する米大統領警護隊〈シークレットサービス〉のロナルド・ロウ長官代行〈手前左〉。首都ワシントンで≫
米連邦捜査局(FBI)によると、地元警察は7月13日にペンシルベニア州バトラーで開催されたトランプ氏の選挙集会で銃撃が始まる約1時間半前にトーマス・マシュー・クルックス容疑者を「不審人物」としてマークしていた。
暗殺未遂事件以来、会場を見下ろす建物の屋上に銃撃犯がいたことに大統領警護隊がいつ気付いたのかという点をめぐり、議論が行われている。
ロウ氏は上院合同委員会の公聴会で、「現在把握している情報では、大統領警護隊の対狙撃チームも前大統領の警護チームも、AGR(企業名)の建物の屋根の上に銃を持った男がいることは全く知らなかった」と証言。
「われわれが唯一把握していたのは、前大統領の右側、つまり銃弾が飛来した方向で地元警察が問題に取り組んでいたということだけだ」「屋根の上に男がいる、銃を持った男がいる、などという話は一切なかった」と述べた。
ロウ氏は、クルックス容疑者が発砲した屋上の警備が甘かった点については「釈明できない」とし、警備の不徹底を「恥じている」と述べた。
一方で、屋根の警備は地元警察の担当で、「われわれは州や地元の当局が担当していると思い込んでいた」と主張した。
トランプ氏の登壇が許可された理由については、クルックス容疑者は脅威でななく、単なる不審人物として認識されていたと回答。
「不審人物という以上のことは、私たちは何も知らされていなかった」ため、「脅威または差し迫った危険があるというレベルまで警戒を強めていなかった」と述べた。
さらに、地元警察との連携ミスが「連鎖的な不手際」を招いた一因だと指摘した。
また、当日は大統領警護隊の対ドローンシステムに「技術的な問題」が生じ、「5時すぎまで運用できなかった」と明らかにした。
FBIによると、クルックス容疑者は銃撃の約2時間前、会場付近で11分間ドローンを飛ばしていた。【翻訳編集AFPBBNews】
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