2024-07-12 17:08スポーツ

こんな場所が競技会場=宮殿を馬が、展覧会場で剣を―パリ五輪

馬術会場となるベルサイユ宮殿=2020年6月撮影、フランス・ベルサイユ(AFP時事)

 【パリ時事】パリ五輪では市内や郊外にある歴史的な建造物、観光名所が競技会場へと変身する。スポーツと同時にフランスの歴史、文化が楽しめるかもしれない。
 フランス屈指の観光名所、ベルサイユ宮殿もその一つ。17世紀に建てられた歴史的な宮殿が馬術の会場となる。最大の見どころは総合馬術の耐久。宮殿内にある運河周辺がコースとなっており馬が疾走する。大会組織委の担当者は「壮大で魅力的な場所で文化とスポーツを一体化させたかった。(観客席から)普段とは違う運河の景色も見られる」と説明する。
 市中心部のグラン・パレはガラス屋根が特徴的な歴史ある展覧会場。1900年パリ万博を機に造られた。高級ブランド、シャネルのファッションショーやさまざまな展示会などが催される。約3年間の改修工事を経て五輪ではフェンシング、テコンドーの舞台となる。
 街の象徴、エッフェル塔の下に広がるシャンドマルス公園。連日多くの観光客が訪れるこの場所には砂が敷かれた仮設コートとスタンドが登場した。ビーチバレーボールが行われる。また、市内の名所コンコルド広場はスケートボードなどアーバンスポーツの会場となり4競技を実施する。
 競泳会場も特徴的だ。郊外のデファンス・アリーナはラグビーの仏1部リーグ、ラシン92の本拠地で屋根付きのスタジアム。有名歌手のコンサートなどを行うイベント会場としての顔も持っている。今回はここに仮設プールを設置する。全仏オープンの舞台、ローランギャロスはテニスはもちろん、ボクシング会場としての役割も担う。
 パリ五輪は環境やコスト面に配慮し、新設会場は二つのみ。ほとんどを既存や仮設施設で実施する。ただ、パリ市の面積は約105平方キロメートルで、東京23区の約6分の1程度。決して広くなく、利用可能なスポーツ施設の数も限られている。意外な場所が競技会場になった背景にはそんな事情もある。
[時事通信社]

普段はラグビー場として利用されるデファンス・アリーナは、パリ五輪に向け仮設プールが設置されている=6月12日、パリ市郊外

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