優先課題に予算振り向け=行財政改革巡り論戦―都知事選
東京都には、少子化対策や首都直下地震への備え、中小企業支援などさまざまな政策課題が山積している。関連する事業の実施には多額の費用が見込まれるだけに、既存の施策を見直しつつ、優先度の高い取り組みに予算を振り向ける行財政改革が不断に求められる。都知事選(7月7日投開票)でも、各候補者は改革に向けた考え方を披露している。
現職の小池百合子氏(71)は「ワイズスペンディング」(賢い支出)で、2期8年の任期中に8100億円の財源を確保したと強調。子育て世帯への現金給付などを念頭に、生み出した財源を「これからの時代をつくるために振り替えた」と胸を張る。また、デジタル技術の活用にも力を入れ、行政手続きの100%デジタル化や、オンラインで子育て支援情報をプッシュ型で知らせたり保育所入園をサポートしたりする「こどもDX(デジタルトランスフォーメーション)」を掲げる。
前参院議員の蓮舫氏(56)は、旧民主党政権時代に行政刷新担当相を務めた経験をアピールする。小池氏の行革について「事業の第三者評価が入っていない」と指摘。「行政事業レビュー」の導入により、「本物の行革で都財政をガラス張りにしたい」と話す。また、東京の夜間観光を活性化する狙いで始まった都庁のプロジェクションマッピングも、事業の目的は達成したとして、その分の予算を多子世帯の家賃補助に使う意向を明らかにしている。
前安芸高田市長の石丸伸二氏(41)は、教育予算の適正化を主張。「次世代が豊かになるよう教育にしっかりと資源配分したい」との考えを示す。タレントの清水国明氏(73)は行政文書の透明性確保を掲げる。元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は緊縮財政から積極財政への転換を唱える。
[時事通信社]
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