ガザ人道状況、母子にとって「悪夢」 麻酔不十分の帝王切開も
【国連本部AFP=時事】パレスチナ自治区ガザ地区の人道状況は、母子にとって「悪夢」となっている。医師からは、体が小さく病弱な新生児や死産、麻酔が不十分な状態での帝王切開などが報告されている。≪写真はテントの前で赤ん坊を抱くパレスチナ人女性。ガザ地区南部ラファにて≫
国連人口基金(UNFPA)パレスチナ事務所のドミニク・アレン所長は15日、ガザ北部で今も分娩(ぶんべん)を取り扱っている病院を訪れた後、エルサレムからリモートで会見し、「私は今週ガザを離れるが、ガザに住む100万人の女性や少女、とりわけ日々出産している(平均)180人の女性たちにとって恐怖だ」と発言。
「医師からの報告では、もはや通常の大きさの新生児を見ることはないという」「悲しいことに死産が増え、栄養失調や脱水症状、合併症による新生児の死亡も増加している」と窮状を訴えた。
また、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争開始前と比べて、難産もほぼ倍増している。妊婦はストレスや恐怖を感じ、栄養不良で疲弊しており、子どもの世話をする側にとっても必要な物資が不足している。
アレン氏は「帝王切開のための麻酔薬が不十分だったという報告もあった」「これも考えられないことだ」と指摘。「子どもは母親の腕に抱かれなければならない」「遺体袋に包まれるべきではない」と述べた。
アレン氏によると、イスラエル当局は助産師用の器具などを含むUNFPAの物資搬入を拒否したり、懐中電灯や太陽光パネルなどを撤去したりした。
「この状態は、人道危機をはるかに上回る悪夢だ」「大惨事を超える、人間性の危機だ」とアレン氏は述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
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