ミケランジェロの「ダビデ像」、2か月に1回の清掃作業
【フィレンツェAFP=時事】イタリア・フィレンツェのアカデミア美術館では、ルネサンスの巨匠ミケランジェロの彫刻作品「ダビデ像」の清掃作業を2か月に1回行っている。≪写真はフィレンツェのアカデミア美術館でミケランジェロの彫刻「ダビデ像」の清掃作業にあたる保存修復士のエレノア・プッチさん≫
1504年に完成した作品は、150年前からアカデミア美術館に収蔵されている。高さ5.1メートルの像は、巨大な大理石の塊から制作された。昨年は200万人以上が同美術館を訪れた。
清掃作業は、専属の保存修復士であるエレノア・プッチさんによって行われる。
「頻繁に清掃することができないため、近くで像を見ると全体に糸くずのようなほこりがたまっている」「見た目もよくないし、美術館にはふさわしくない」と館長のセシル・ホルバーグ氏は集まった報道陣に語った。
美術館全体の清掃作業については、「すべての作品に敬意を払い、尊厳を保持させたいと考えている」と説明した。
■「繊細な作業」
清掃はまず、周囲に足場を組み、その後、現状確認のための写真撮影をする。ホルバーグ氏いわく、これはダビデ像の「健康状態」を確認するための作業だ。
作業を担当するプッチさんは、バックパック式の集じん機を背負い、作品表面のほこりをブラシで優しく払う。この時、集じん機のノズルが作品に触れないよう細心の注意が欠かせない。
肩や頭部を作業する際には、カールのかかった髪の部分にクモの巣が張っていることがあるため、像に顔を近づけて細部まで確認する。
ホルバーグ氏は「作品の保全には1センチ四方ずつ細部まで見なくてはならない。繊細な作業で集中力が必要」と説明。「ダビデ像の状態は良好」だと続けた。
ダビデ像の清掃作業は足場を組むため、開始から終了まで約半日かかる。
ダビデ像はミケランジェロが29歳で完成させた。当初は、フィレンツェのシニョリーア広場に置かれていたが、1873年にアカデミア美術館に移設された。現在、シニョリーア広場にはレプリカが設置されている。【翻訳編集AFPBBNews】
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