虐待被害「法整備含め対応を」=「宗教2世」団体が国に要望
こども家庭庁が4月に「宗教2世」への虐待を巡る実態調査結果を公表したことを受け、当事者団体が16日、被害救済に向けた迅速な制度設計を求める要望書を同庁に提出した。団体は提出後に東京都内で記者会見し、「法整備も含めて対応してほしい」と訴えた。
同庁の調査結果では、信仰などが理由とみられる虐待が全国の児童相談所で計47件確認されたほか、一部の医療機関で医師が必要と判断した治療行為を親がさせないなどの事例があった。宗教2世28人からのヒアリングも実施した。
これに対し要望書は、宗教団体ごとの被害の傾向や効果的な支援策を検討するため、より大規模な当事者調査が必要だと指摘。救済に向け、専用相談窓口の整備や、宗教2世の自立を支援する制度づくりを速やかに進めるよう要請した。
子どもの生命や人格形成に悪影響を及ぼす偏った情報や価値観を教え込むことを、虐待と位置付ける法整備も求めた。
宗教団体「エホバの証人」元3世信者の夏野ななさん(仮名)は会見で、「医療ネグレクト(育児放棄)は子どもの命や健康に直結するので、特に早急な対応をお願いしたい」と要望。元2世信者の綿和孝さん(同、46)は「宗教2世の子どもたちが自立できる支援策を社会でつくり上げていければ」と話した。
[時事通信社]
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