「安全経費、削減しないで」 遺族がコロナ影響懸念―軽井沢バス事故から5年・長野
長野県軽井沢町で大学生ら15人が死亡、26人が重軽傷を負ったスキーツアーバス転落事故は15日、発生から5年を迎えた。遺族らは現場近くに建てられた「祈りの碑」に手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。
亡くなった大谷陸人さん=当時(19)=の父親、慶彦さん(55)は献花後、「事故がなければ、息子と普通の人生を歩んでいたのではないか」と話した。バス業界に対しては、コロナ禍で経営が厳しくなっても「安全に関する経費は削減しないでほしい」と訴えた。
事故では、バス運行会社「イーエスピー」(東京)の高橋美作社長(59)らが2017年に業務上過失致死傷容疑で書類送検されたが、長野地検は刑事処分を決めていない。
犠牲となった田原寛さん=当時(19)=の父親で、遺族でつくる「1.15サクラソウの会」代表の田原義則さん(55)は「5年たっても責任が明確化されていないのは、つらく、耐え難い」と指摘。教え子4人を失った尾木直樹法政大名誉教授(74)も献花に訪れ、「多くの命を奪ったことに対する責任を取るのは当たり前だ」と強調した。
現場を訪れた赤羽一嘉国土交通相は「安全第一、最優先の自動車行政、交通行政が貫けるよう取り組みたい」と話した。
事故は16年1月15日未明に発生。乗客の大学生13人と乗員2人が死亡し、26人が負傷した。県警は同容疑で高橋社長と元運行管理者を、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で死亡した運転手を書類送検し、長野地検が捜査を続けている。(2021/01/15-20:28)
Victims Remembered 5 Years after Karuizawa Bus Crash
Bereaved families and other mourners Friday visited a monument for victims of a fatal bus crash in the central Japan resort town of Karuizawa, Nagano Prefecture, five years ago.
"Without the accident, my son would be leading an ordinary life," said Yoshihiko Oya, 55, who lost his 19-year-old son, Rikuto.
"I want the bus industry not to cut costs for safety," the father said after offering flowers at the monument.
In the small hours of Jan. 15, 2016, the bus fell from a roadside hill after traveling down a mountain road at a speed far over the legal limit, killing 13 university students aboard and two bus crew members and injuring 26 people.
Prosecutors have not decided whether to indict officials of the bus operator, ESP, including president Misaku Takahashi, 59. Police sent papers on the officials to the prosecutors in 2017.
最新ニュース
-
法政大で女がハンマー振り回す=8人けが、傷害容疑で逮捕―警視庁
-
女子やり投げの佐藤が引退=陸上
-
「1票の格差」2月26日判決=広島高裁支部
-
外務次官に船越氏=外務審議官鯰氏、アジア局長金井氏
-
ロゴデザイン、27年ぶり変更=音叉マーク見やすく―ヤマハ発
写真特集
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕