「エボラ並み」どう見直す? 無症状、宿泊療養徹底―「指定感染症」維持か・コロナ
新型コロナウイルス対策をめぐり、国が法律上の運用見直しを進めている。現在は感染症法上の「指定感染症」に位置付けられる一方、最も危険なエボラ出血熱などと同様の厳格な対応が取られている。無症状でも入院を勧告できるが、医療現場の負担軽減に向け、宿泊療養の徹底を図る方針だ。
感染症は同法により、危険度が高い順に1類(エボラ出血熱など)から5類(季節性インフルエンザなど)に分類される。新型コロナの感染者は1月に国内で初めて確認されたが、当時は未知のウイルスだったため、政府は暫定的に「指定感染症」に指定した。
当初は結核などと同じ「2類相当」と位置付けられ、入院勧告や就業制限を可能にした。政令改正を経て、1類と同様に無症状者も入院勧告などの対象とした後、1類にもない外出自粛要請を加え、現在は1類以上の扱いとなっている。
都道府県知事は無症状者にも入院勧告ができるようになったが、厚労省は4月、病床が逼迫(ひっぱく)する恐れがあるため、無症状の場合は宿泊施設での療養を原則とした。ただ、一部自治体が政令を厳格に適用して入院させる例が続き、医療現場の負担になっているとの指摘が出た。
感染症法上の位置付けを見直すべきだとの指摘もあるが、季節性インフルエンザと同じ5類扱いだと入院勧告はできなくなる。厚労省内には「宿泊療養を求められるのは、拒否されても入院勧告できる担保があるから」(幹部)として、入院勧告の措置は残すべきだとの意見が根強い。5類では医師の届け出が原則7日以内とされ、感染状況のリアルタイムでの把握も難しくなる。
このため、厚労省は指定感染症の位置付けは維持しつつ、政令改正などにより、無症状者らを宿泊療養させる運用を徹底させる方針。同省に助言する専門家組織にワーキンググループを設置し、具体的な検討を進める。
助言組織に参加する感染症の専門家は「2月の指定時とは知見や状況が違う。当時の運用をなし崩し的に続けるのではなく、良い所と悪い所を議論する必要がある」と見直しの意義を説明する。(2020/09/05-13:44)
Japan Reviewing Use of Infectious Disease Law for COVID-19
The Japanese government is reviewing how it implements the infectious disease law, in order to reduce burdens on medical professionals in measures against the novel coronavirus epidemic.
Through the move, the government hopes to promote treatment at hotels and other accommodation facilities for some patients instead of hospitalizing them.
COVID-19, the respiratory disease caused by the novel coronavirus, is currently considered equivalent to or worse than Category I Infectious Diseases, the most dangerous category in the five-notch scale on the level of danger under the infectious disease law. The Category I includes Ebola.
The disease was initially not classified in the five-tier scale as details of the viral disease was unknown at the time of the first domestic infection case in January. It was classified only as a "designated infectious disease."
It was then categorized to be on par with Category II diseases, including tuberculosis, making it possible for public authorities to advise patients to be hospitalized and to limit their work.
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