避難所14カ所で浸水や閉所 専門家「過信せず身守って」―熊本豪雨
熊本県南部を中心に大きな被害が出た豪雨では、少なくとも九州3県の6市村で14カ所の指定避難所が浸水で閉所を余儀なくされたり、孤立したりして機能を制限された。防災の専門家は「これまで安全だった場所が今回も安全という保証はないと考え、各自が積極的に身を守ることが求められる」と訴えている。
これら14避難所は、いずれも「浸水想定区域」に位置するとみられ、洪水時に浸水が予想される施設。球磨川氾濫で被災した熊本県人吉市では7日未明、浸水の恐れがあるコミュニティーセンター2カ所を閉鎖し、避難者は高台にある高校校舎などへ移動を余儀なくされた。両センターはその後、浸水した。八代市では7日朝、5避難所が既に浸水していたため開所を見送った。球磨村でも2避難所が浸水した。
福岡県大牟田市では、3避難所が被害に遭った。このうち、みなと小学校は6日深夜、63センチまで水に漬かり孤立状態に。帰宅できなくなった22人の児童が避難した住民と共に校舎の2階以上で一夜を過ごした。同市の担当者は「想定外の雨量とポンプ故障が重なった」と振り返る。
「住民が過ごせる広さがある市施設は限られている」と話すのは八代市の担当者。国は指定避難所の基準を「災害の影響が比較的少ない場所にある」とするが、規模など指定条件を満たす公共施設は限定されており、浸水想定区域内に設置せざるを得ない地域は多い。
東京大の片田敏孝特任教授(災害社会工学)は、「ここ数年の水害は、従来の想定では対応できない規模で、行政側が安全な避難所を整えるのは難しいと考えるべきだ」と指摘する。
その上で、親族宅など避難所以外の避難先を日頃から考えたり、自宅で過ごす際に備え非常食をそろえたりするなど「一人一人が積極的に自分の命を守る姿勢が重要だ」と話している。(2020/07/11-13:47)
14 Evacuation Centers Became Unusable during Kyushu Rains
At least 14 evacuation centers in three prefectures in the Kyushu southwestern Japan region became unusable due to flooding and other reasons during the recent downpours that mainly hit the region.
"Each of us needs to protect our own lives proactively, thinking that places so far considered safe may no longer be," one expert said.
Flooding could have been expected at the 14 evacuation centers, all of which are apparently located in flood hazard zones.
In Hitoyoshi, Kumamoto Prefecture, where the Kuma River flooded, two evacuation centers were closed in the small hours of Tuesday, forcing evacuees there to move to other facilities located on higher ground. Both centers were inundated with water later.
Yatsushiro, also Kumamoto, could not open five places designated as evacuation centers Tuesday morning because they had already been flooded.

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