2020.07.08 05:55Nation

橋に大木、道は寸断 被害の爪痕、生々しく―17人犠牲の球磨村・熊本

流木が流れ込んだ道路を進む人たち=7日午前、熊本県球磨村

流木が流れ込んだ道路を進む人たち=7日午前、熊本県球磨村

 大雨による球磨川の氾濫で、17人が犠牲となった熊本県球磨村。民家は基礎部分を残して全壊し、橋の欄干には大木が乗り上げていた。住民は泥にのまれた自宅の片付けに手が付かず、不安な時間を過ごしていた。濁流の爪痕が残る村を7日、歩いた。
 球磨川沿いにある村役場。近くにある高さ約5メートルの建物には、天井まで浸水した泥水の痕が残っていた。家具などがぐちゃぐちゃに散乱した民家が多い。川に流され、橋の欄干に乗り上げた大木。雨で増水した川は茶色に染まり、役場前を走る幹線道路は土砂崩れや崩落で寸断されていた。
 「流された家が橋に引っかかり、流れをせき止めていた」。役場近くに住む無職中園幸江さんは、濁流が自宅前に迫った4日早朝の様子を興奮気味に振り返った。周辺は携帯電話が今も不通。村外の親戚や友人と連絡が取れないといい、「早く安否を伝えたい」と語った。

14人の犠牲者が出た特別養護老人ホーム「千寿園」=7日午前、熊本県球磨村

14人の犠牲者が出た特別養護老人ホーム「千寿園」=7日午前、熊本県球磨村

 14人が犠牲になった特別養護老人ホーム「千寿園」は、役場の数キロ先にある球磨川の支流脇に建っていた。コンクリート造りの2階建て。敷地内には布団やバケツが散乱し、建物の中で無数の椅子がひっくり返っていた。
 辺りの地面は水分を含んだ泥に覆われていた。粘り気が強く、足を取られて歩くのもままならない。周辺の民家は床上浸水の跡が生々しく、木の枝や竹などが部屋の中に流れ込んでいた。濁流に押し流され、民家に倒れかかったままの電柱。家の片付けに手を付けられず、途方に暮れている住民もいた。
 近くに住む小川ムツ子さん(95)は、同園の利用者で、半世紀の付き合いだという近隣男性の安否を気に掛けていた。4日以降、連絡が取れていないという。「穏やかな人。地区の仕事も嫌がらず引き受けていた」と話し、無事を願った。(2020/07/08-05:55)

2020.07.08 05:55Nation

Downpours Take Lives, Leave Damage in Kumamoto Pref.


River overflows and inundations caused by torrential rains in the southwestern Japan prefecture of Kumamoto over the weekend have led to many lost lives and homes, leaving residents mired in deep grief and confusion.
   Keisuke Masuda, a 67-year-old resident of the Shimosatsumaze district in the city of Hitoyoshi in the prefecture, said he vividly remembers one of his neighbors being swept away by the tide of water overflowing from the Kuma River.
   "He was swept away right before my eyes," Masuda said at an evacuation center on Tuesday. "I was overcome with a sense of helplessness."
   The neighbor, 81-year-old Saburo Inoue, died after being engulfed in muddy water on Saturday.
   The area had been struck by heavy rains since the night before, and the water level of the Kuma River quickly rose on Saturday morning. By the time Masuda emerged from his home, the brown water that had spilled from the river reached his knees. He struggled just to walk 10 meters.

最新ニュース

写真特集

最新動画