2020.06.27 07:22Nation

脱はんこでテレワーク後押し 電子印鑑、契約サービス続々

シヤチハタが開発した電子印鑑サービスを使い、指でタッチし押印する人(同社提供)

シヤチハタが開発した電子印鑑サービスを使い、指でタッチし押印する人(同社提供)

 インターネットを通じて押印したり契約を結んだりするサービスが注目を集めている。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務(テレワーク)が広がるが、書類の確認や印鑑を押すためだけに出社を余儀なくされるケースは多い。押印を極力減らす「脱はんこ」に向け、電子印鑑や電子契約サービスを拡充させ、感染防止につなげる狙いだ。
 アドビシステムズ(東京、現アドビ)が3月に発表した調査によると、テレワーク中に書類の確認や押印などでやむなく出社した経験がある人は6割以上に上った。政府もテレワーク導入のネックの一つとなっている「はんこ文化」を見直そうと、押印に関する規制改革を加速させている。
 文具メーカーのシヤチハタ(名古屋市)はスマートフォンやパソコンから稟議(りんぎ)書などクラウド上の書類にアクセスし押印できる電子印鑑サービスを提供。ここ数カ月の新規申込者数は大幅に増加しており、「緊急事態宣言発令で在宅勤務が進み、利用者が増えた」(広報室)と分析する。
 取引先との契約を安全にネット上で結べる取り組みも進む。は7月から、電子契約サービス大手の(東京)と連携し、押印から契約書の保管まで全てをクラウド上でできるサービスを提供する。
 セイコーソリューションズ(千葉市)も電子契約を支援するサービスを提供。オンラインで契約書が作られた日時や作成者などを確認できる。7月からは利用料を大幅に引き下げた簡易サービスも展開し、中小企業などにも活用を広げたい考えだ。
 ITコンサルティング会社のアイ・ティ・アール(東京)の三浦竜樹シニア・アナリストは「国内の電子契約サービス市場は、コロナ前の調査予想より速いスピードで拡大している」と指摘。導入企業も増加しており、今後も成長が期待できそうだ。(2020/06/27-07:22)

2020.06.27 07:22Nation

Services to Break with "Hanko" Seal System Drawing Attention


Services that allow users to affix seals and conclude contracts online are attracting attention in Japan at a time when many companies are promoting teleworking amid the new coronavirus outbreak.
   A growing number of people started working from home amid the virus crisis, but many of them still need to go to their offices to check paper documents and stamp "hanko" personal seals on them.
   The services are aimed at promoting the use of electronic seals and online contracting services to break away from Japan's traditional hanko culture, involving the use of personal seals to make documents official.
   According to a survey released by Adobe K.K. in March, over 60 pct of respondents said they had to go to their offices to check documents and stamp hanko during the time they were asked to work from home.
   The Japanese government is stepping up reviews of regulations regarding the hanko system, which is said to be disrupting efforts to promote teleworking.

最新ニュース

写真特集

最新動画