2020.06.15 22:06Nation

陸上イージス、配備計画停止　迎撃技術不備でコスト増、事実上白紙に―防衛相表明

陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備プロセス停止を表明する河野太郎防衛相＝１５日午後、東京都新宿区の防衛省

　河野太郎防衛相は１５日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、秋田、山口両県に配備するプロセスを停止すると発表した。迎撃ミサイルのブースターに技術的な問題が見つかり、改修にコストや時間がかかるためと説明した。防衛省内で記者団に語った。
　事実上の「白紙撤回」となるが、代替策は示されておらず、日本のミサイル防衛が根本から揺らぐことになる。イージス・システムを提供する米国との関係にも影響を及ぼす可能性がある。
　安倍晋三首相には、河野氏が１２日に計画停止の方針を説明し、了解を得たという。近く、国家安全保障会議（ＮＳＣ）に報告し、今後の対応を協議する。ＮＳＣ開催に先立って防衛相が重大な政策の決定を公表するのは異例。
　陸上イージスの導入は、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処するため、２０１７年１２月にＮＳＣでの議論を踏まえ、閣議決定した。河野氏は当面、イージス艦でミサイル防衛に当たると説明。しかし、陸上イージスの導入はイージス艦の負担を軽減するのが目的とされており、これまでの政府説明との整合性が問われることになる。
　同省はこれまで、配備を予定する山口県の陸上自衛隊むつみ演習場で、迎撃ミサイルのブースターロケットを「演習場内に確実に落下させる」と地元に説明してきた。しかし今年に入り、落下場所を制御するためには、ソフトウエアだけではなくハードウエアの改修も必要なことが米国側との協議で判明。新たな迎撃ミサイルの開発にはさらに１０年以上、数千億円のコストが想定され、６月初旬に報告を受けた河野氏が「合理的ではない」と判断した。（2020/06/15-22:06）

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2020.06.15 22:06Nation

Japan to Halt Aegis Ashore Deployment Process

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The Japanese government will halt its deployment process for the Aegis Ashore land-based missile defense system, Defense Minister Taro Kono said Monday.
   Kono made the remark to reporters at the Defense Ministry in Tokyo.
   The ministry originally planned to deploy the system in the northeastern prefecture of Akita and the western prefecture of Yamaguchi.
   But opposition grew against the introduction of the system in Akita due to problems caused by the ministry, such as the use of incorrect survey data in the process of selecting potential locations.
   The ministry therefore restarted surveys to pick appropriate locations in Akita and the neighboring prefectures of Aomori and Yamagata.