アベノマスクで物々交換 「とんちんかんでも無駄にしない」―新型コロナ
政府が全世帯に2枚ずつ配布している布マスク「アベノマスク」。市場にマスクが広く流通し始め、「小さい」「遅い、もういらない」と一部で批判を浴びる中、「捨てたり、家に眠らせておいたりするのはもったいない」と商品券と交換し、有効利用する動きが広がっている。
1937年創業の老舗洋食店「レストランいけじゅう」(京都府南丹市)は、マスクを300円分の食事券と交換している。2代目オーナー池田勤さん(73)は、マスク配布を「愚策」と批判。その上で、「とんちんかんな政策でも無駄にするのはもったいない」と取り組みを始めた。マスクは2枚入り1セットを未開封の状態で集め、同市に寄付する。同市の担当者からは「配る所はあるので喜んでいただく」と言われたという。
新型コロナウイルスの影響で、同店では3月以降客足が遠のき、4月の売り上げは例年の半分以下に。依然として苦しい状況が続き、池田さんは「客足が戻る一つのきっかけになってほしい」と商機に期待を寄せた。
「想像以上の反響があった」というのは、徳島市内で薬局を展開し、食用藍を販売する「ボン・アーム」。「必要としている人に届け、有効に使えないか」と、4月にマスク2枚入り1セットを藍染めハンカチ1枚と交換すると告知したところ、全国からマスクが同社に殺到した。
当初、6月20日をめどにハンカチ1000枚の交換を予定していたが、想定を上回ったため3000枚に増産。それでも5日に受け付けを中止した。マスクは必要とする介護施設や福祉事業所、自治体などに寄付するという。(2020/06/15-13:31)
"Abenomasks" Swapped for Meal Tickets, Others
Efforts are spreading in Japan to promote donations of "Abenomask" cloth masks by giving meal tickets and other items in exchange for the masks distributed nationwide by the government.
Abenomasks, given away at the initiative of Prime Minister Shinzo Abe in the fight against the new coronavirus, have drawn complaints that they are too small and that they are arriving too late.
"It's a shame to waste the masks even if they were distributed under a policy that is beside the point," said Tsutomu Ikeda, 73, the second-generation owner of Ikejyu, a restaurant in Nantan, Kyoto Prefecture, western Japan.
The restaurant, founded in 1937, is giving away a meal ticket worth 300 yen in exchange for an unopened pack of two masks, hoping to donate them to the city.
"We more than welcome the masks as we have places to distribute them," a Nantan official said.
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