人工クレーターは半円形 直径14.5メートル―形成過程の詳細解明・はやぶさ2
探査機「はやぶさ2」が昨年4月、小惑星「りゅうぐう」で行った人工クレーター作成実験の詳細を宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームがまとめ、米科学誌サイエンス電子版に20日、発表した。衝突装置(SCI)による人工クレーターは直径約14.5メートルで、半円形をしていた。
はやぶさ2は2019年4月5日、りゅうぐうの赤道付近高度約500メートルでSCIを分離。タイマーで約40分後に起爆し、金属の塊をりゅうぐう表面に衝突させ、クレーターをつくった。衝突の一部始終は分離カメラで撮影され、はやぶさ2本体も上空からの観測や、クレーター付近への着陸・試料採取を行った。
分離カメラの画像には、衝突から500秒以上にわたり、砂などの噴出物がカーテン状に広がる「エジェクタカーテン」が写っていた。噴出物は衝突地点のすぐ南側にあった大きな岩に遮られて北側にしか広がらず、クレーターも半円形になったとみられる。
研究チームは、上空から撮影した画像から3次元マップを作成。人工クレーターの直径は、噴出物が堆積した縁(リム)の部分を含めると約17.6メートルあり、内部に直径約3メートル、深さ約60センチのくぼみ(ピット)があった。リム頂部からピットの底までの深さは約2.7メートルだった。
クレーターのでき方から、天体表面の地形が形成されてからの期間なども推定できる。今回の実験からは、りゅうぐうの表面が想定されていた範囲の中では新しく、1000万~数千万年前に形成されたと考えられるという。
研究チームには、会津大、千葉工業大、東京大、名古屋大、神戸大、高知大、産業医科大(北九州市)なども参加している。(2020/03/20-05:31)
Hayabusa2 Creates Semicircular Crater on Asteroid Ryugu
The artificial crater created by the Hayabusa2 spacecraft on the surface of asteroid Ryugu in April last year is semicircular and has about 14.5 meters in diameter, a research team including the Japan Aerospace Exploration Agency, or JAXA, said Friday.
The team published an article detailing the experiment to make the crater in the online edition of U.S. journal Science on the day.
On April 5, 2019, Hayabusa2 separated a small carry-on impactor (SCI) at an altitude of about 500 meters above the equator of the asteroid. The SCI was exploded about 40 minutes later using a timer to release a metal object, which collided into the surface of Ryugu to produce the crater.
The experiment was recorded by a camera while the Japanese spacecraft landed on Ryugu at a point near the crater and collected samples of the asteroid. Footage from the camera showed, for more than 500 seconds, a phenomenon called "ejecta curtain," in which a plume of materials, including sand, from the collision, spread like a curtain.
The ejected matters spread only to the north side of the point of impact because they were blocked by a large rock just south of the site, causing the crater to become semicircular, not circular, as a result.
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