浅川幸子さん死去 地下鉄サリンで脳障害―闘病25年、寝たきり
オウム真理教による地下鉄サリン事件の被害に遭い、寝たきり状態で闘病を続けていた浅川幸子さんが10日午前9時34分、サリン中毒による低酸素脳症で死去した。56歳だった。兄の一雄さん(60)が19日に明らかにした。
事件は20日で発生から25年。一雄さんは「妹にとって本当につらい時間だったと思う。頑張ったね、お疲れさまと伝えたい」と話した。
1995年3月、元教団代表松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚=執行時(63)=の指示の下、元幹部5人が営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷、丸ノ内、千代田各線を走行中の電車内で猛毒サリンを散布。13人が死亡し、6000人超が重軽傷を負った。
当時31歳だった幸子さんは、勤務先の会議に向かう途中、元幹部広瀬健一元死刑囚=同(54)=が散布した丸ノ内線で事件に巻き込まれた。車内で心肺停止の状態で見つかり、蘇生したものの、重い脳障害で会話や食事も困難に。一雄さんら家族が自宅で介護を続け、2017年から東京近郊の病院に入院した。会見に同席した弁護士によると、幸子さんは14人目の犠牲者。
「オウム、大ばか」などと繰り返す幸子さんに、「もう忘れよう」と声を掛けていたという一雄さん。「笑顔を見せてくれたときはうれしく、ずいぶん救われた」と振り返り、「つらい、悲しいというだけではいけない。前向きに生きていかないと、幸子が悲しむ」と目を潤ませた。
教団の後継団体は事件を知らない若い世代の信者を獲得している。一雄さんは「過去にどういうことをやったのか、改めて考えてほしい」と訴えた。(2020/03/19-20:36)
1995 Sarin Attack Survivor Asakawa Dies
Sachiko Asakawa, a paralyzed survivor of the 1995 sarin gas attack on the Tokyo subway, has died, her brother Kazuo said Thursday. She was 56.
Asakawa died of hypoxic encephalopathy stemming from sarin poisoning March 10. She had been confined to bed as she suffered serious brain damage due to the simultaneous nerve gas attack by the now-defunct Aum Shinrikyo doomsday cult. The attack marks its 25th anniversary Friday.
"It must have been a really hard time for Sachiko," Kazuo, 60, said at a press conference. "I want to tell her that she did her best."
On March 20, 1995, five senior Aum members dispersed the highly toxic nerve gas on trains on the Hibiya, Marunouchi and Chiyoda lines at the order of the cult's former guru Chizuo Matsumoto, injuring over 6,000 people, including Asakawa, and killing 13.
Matsumoto, who went by the name of Shoko Asahara, was executed in 2018.
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