「イベント自粛いつまで」　収入激減、音楽家ら悲鳴―新型コロナ

　新型コロナウイルスの感染拡大でイベントの自粛や学校の休校が長引く中、フリーランスの音楽家や劇団などが収入の大幅減に苦しんでいる。「いつまで続くのか」。政府は１９日にも自粛要請を継続するか判断するとしており、関係者は注視している。
　「このままだと廃業せざるを得ない」。埼玉県所沢市に住むバイオリニストの女性（３９）は危機感を募らせる。複数のプロオーケストラにエキストラ（客演）として参加するほか、大学のサークルや高校の部活動を指導しているが、公演中止や休校で相次ぎキャンセルに。高齢者施設などでの訪問演奏の依頼もほぼなくなり、この間に収入は十数万円減少した。
　日本クラシック音楽事業協会などによると、これまでに１０００以上の公演が中止や延期になった。女性はバイオリンと関係ない派遣社員の仕事も探し始めたといい、「人を集めなければ演奏も教えることもできない。いつまで続くのか」とこぼした。

　演劇関係者も苦境に立たされている。秋田県仙北市を拠点に活動する劇団「わらび座」は国内外でミュージカル公演を行っているが、３月は大半が中止に。年１３０～１５０校受け入れる中学生の修学旅行も休校でキャンセルが相次いでいる。
　来年は創立７０周年を迎えるが、このままでは立ちゆかなくなると１口１万円で支援金を募り始めた。管野紀子広報宣伝室長は「自粛要請が緩和されたとしても、客が舞台を楽しむ気持ちになるかが心配だ」と話した。
　イベント自粛が広がる中、名古屋市の映画館「名演小劇場」は「世の風潮には迎合しない」とあえてツイッターで発信。混み合うことも少ないため、客席や手すりを消毒するなどして営業を続けている。
　運営会社の島津秀雄社長は「一律に対応する必要はない。感染の危険に十分注意しつつ、表現の場を提供するのも大事だと思う」と指摘した。（2020/03/19-07:07）

Freelance musicians, theater companies and others in Japan are suffering from a drastic fall in their incomes due to the prolonged event restraint period and school closures caused by the new coronavirus outbreak.
   "I have no choice but to stop" playing the violin as a profession, said a 39-year-old violinist in Tokorozawa in Saitama Prefecture, near Tokyo.
   While she plays in several professional orchestras as an extra violinist and coaches orchestra clubs at universities and high schools, many of those engagements were called off due to cancellations of concerts and school closures.
   As she also hardly received any requests to perform at nursing homes and other locations, she said her income has dropped by over 100,000 yen during the period.
   According to the Japan Association of Classical Music Presenters and others, more than 1,000 concerts have either been called off or postponed up until now.