2024.09.17 14:27Nation

尿検査で子宮頸がん予防へ HPVタンパク質、高感度で検出―早大など

 子宮頸(けい)がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)を巡り、早稲田大などの研究グループは17日までに、がんの前段階の病変がある患者の尿から、ウイルスのタンパク質を検出したと発表した。尿中にはごく微量しか含まれず、これまで検出が困難だった。同グループは「尿を用いた初期検診の可能性が示された」としている。
 HPVに含まれる特定のタンパク質は、子宮頸がんを引き起こす原因物質として働く。早大の伊藤悦朗教授らは、このタンパク質を高感度で検出する測定法を開発。がん化のリスクが高いHPV16型では、市販の検査キットと比べて、約100倍の高感度の検出に成功したという。
 研究グループは、2019~21年に金沢医科大学病院を受診し、がんになる前段階の「子宮頸部異形成」と診断された患者45人の尿を収集。測定法を用いて、HPVに含まれるタンパク質の検出を進めた結果、病変進行が軽度の患者の80%、中等度は71%、高度では38%から、標的としたタンパク質を確認した。ただ、がんに近づくにつれてタンパク質が減少するメカニズムは不明で、研究グループは「今後の研究課題」としている。
 厚生労働省によると、国内では年間約1万1000人の女性が子宮頸がんに罹患(りかん)し、約2900人が死亡。検診は予防に有効だが、多くの女性は羞恥心などで受診を望まないとされる。22年の国民生活基礎調査によると、20~69歳の受診率は約4割だった。
 伊藤教授は「将来的には、自身で採尿した尿を医療機関などに送付して、診断を受けられる道が開かれた。検診のハードルが下がれば、子宮頸がん撲滅の糸口になる」と話している。(2024/09/17-14:27)

2024.09.17 14:27Nation

HPV Proteins Detected in Potential Cervical Cancer Patients' Urine


A team of researchers from Japan's Waseda University and others has said that it detected human papillomavirus, or HPV, proteins from the urine of patients likely to develop cervical cancer.
   The proteins are present in only a minuscule amount in patients' urine, making it difficult to detect them. The team highlighted the possibility of using urine for early detection of cervical cancer.
   A specific type of protein in HPV acts as a substance that triggers cervical cancer. The team including Waseda professor Etsuro Ito developed a measurement method that detects this protein type with high sensitivity.
   The method successfully detected the proteins from the HPV type 16, which has a high risk of causing cancer, at about 100 times higher sensitivity than commercially available test kits.
   The group examined the urine of 45 patients who visited Kanazawa Medical University Hospital between 2019 and 2021 and were diagnosed with cervical intraepithelial neoplasia, which may develop into cervical cancer.

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