50代邦人男性、ベラルーシで拘束 今年7月、現地TV「工作員」―政府
林芳正官房長官は5日の記者会見で、50代の日本人男性が7月9日、ベラルーシ当局に国内法違反で拘束されたと明らかにした。大使館関係者が面会して健康を確認。「政府としてできる限りの支援を行っていく」と強調した。
これに関し、ベラルーシ国営テレビは4日、「(同国)史上初めて日本の情報機関の活動が阻止され、日本から来た工作員が拘束された」と伝えた。5日に放送するというドキュメンタリー番組の映像の一部を紹介した上で、巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国との協力や、ウクライナ国境の状況を探っていたと主張している。
林氏は、氏名や経緯など詳細について「現地当局が捜査中の事案で個人情報に当たる」と言及を避けた。外務省によると、ベラルーシ国営テレビが報じた「工作員」と同一人物かどうかは確認中という。
ベラルーシは「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ大統領が長年にわたり君臨。ウクライナ侵攻を続けるロシアの軍事同盟国で、プーチン政権の強い影響下にある。
映像では「ナカニシ・マサトシ」と名乗るアジア系の男性がカメラに向かい、ロシア語で「私の活動はベラルーシに危険を及ぼしているかもしれない」と証言。「拘束前」に軍事施設などを写真撮影している様子を、当局が監視しているような場面も映っている。
ベラルーシでは2020年大統領選の結果を巡る抗議デモに参加するなどした罪で、22年に日本人の母親を持つ男性に禁錮16年の判決が下された例がある。最近ではドイツ人男性が拘束され、6月下旬にテロ罪などで死刑判決を受けたが、恩赦を経て8月1日に身柄交換で帰国した。この男性も、7月下旬に放送された国営テレビのドキュメンタリー番組に「出演」していた。(2024/09/05-12:12)
Japanese Intelligence Agent Detained in Belarus: State TV
A Japanese intelligence agent has been detained in Belarus, Belarusian state television reported Wednesday.
Introducing part of a documentary video set to air on Thursday, the state TV said that the detained Japanese agent was allegedly involved in intelligence gathering on Belarus' cooperation with China's Belt and Road infrastructure project and the situation along Belarus' border with Ukraine.
Japanese Foreign Ministry officials said Thursday that a Japanese man in his 50s was detained by Belarusian authorities in early July for alleged domestic law violation.
The man has been confirmed to be healthy through a meeting with a Japanese government official. It remains to be seen whether the man is the reported intelligence agent, the officials said.
Facing the camera in the Belarusian state TV video, an Asian man said in Russian that his activities may be posing danger to Belarus.
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