2024.04.25 20:31Business

円安「日本経済にダメージ」 原材料高や消費者心理悪化―経営トップら

 東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=155円台後半に下落した25日、企業経営者からは国内経済への悪影響を警戒する声が相次いだ。原材料を輸入に頼る企業は負担増を懸念。物価高による消費マインド減退につながる恐れもあることから、円安の恩恵を受ける輸出企業などからも「日本経済にダメージを与える部分が出てくる」(工藤幸四郎旭化成社長)と不安視する声が聞かれた。
 東京ガスの南琢常務執行役員は25日の決算記者会見で、「ガスの原料や電力の燃料は円安が進めば高くなる」と調達コストの増大を懸念。「ここまで円安が進む状況は想定していない」と厳しい表情で語った。海外産の原材料を使う食品メーカーも「円安が長期化すれば(事前に設定したレートで取引する)為替予約で補えない」と顔を曇らせる。
 インバウンド(訪日客)需要に沸く百貨店も、輸入品の再値上げなどによって「国内客が買いにくくなる局面に入る場合も考えられる」(安田洋子日本百貨店協会専務理事)と警戒。旅行業界は円安による訪日客の一段の増加で「オーバーツーリズム(観光公害)がさらに問題になる」と負の側面にも気をもんでいる。
 円安で海外事業の収益が押し上げられる企業も「日本の社員の相対的な給与の価値も影響を受ける。必ずしもいいことばかりではない」(小木曽聡日野自動車社長)と「安いニッポン」化の弊害を指摘。時田隆仁富士通社長は「大きな変動は企業経営の立場から好ましくない」と述べた上で、「政府や日銀、各国のコミュニケーションで抑制されると期待している」と適切な対応を求めた。(2024/04/25-20:31)

2024.04.25 20:31Business

Japan Biz Leaders Concerned about Yen's Slide to 34-Yr Low


With the dollar hitting a 34-year high of 155.74 yen in Tokyo on Thursday, Japanese business leaders voiced concerns over the negative impact from the yen's fall on the Japanese economy.
   Companies that rely on imports for raw materials are concerned about higher costs, while exporters and other companies that benefit from a weak yen also expressed their worries over possible deterioration in consumer sentiment due to rising prices.

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