2024.04.13 14:31Business

日鉄による買収を承認　賛成９８％、実現に一歩前進―米大統領選が影・ＵＳスチール臨時総会

　【ニューヨーク時事】米鉄鋼大手ＵＳスチールは１２日、オンライン形式で開いた臨時株主総会で、日本製鉄による買収案が承認されたと発表した。投票の賛成率は９８％を超え、粗鋼生産規模が世界第３位の巨大鉄鋼メーカー誕生へ一歩前進した。ただ全米鉄鋼労組（ＵＳＷ）が強硬に反発。今秋の米大統領選を巡る思惑も絡み、先行きに不透明感が漂っている。
　日鉄は昨年１２月、ＵＳスチールの全株式を取得し、約２兆円で買収する計画を公表した。１株当たりの買い取り価格は発表時の株価に約４０％上乗せした水準で、大株主は「魅力的な提案」と評価していた。
　ＵＳスチールのブリット社長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）は総会後に発表した声明で、「（統合は）ＵＳスチールと米鉄鋼産業の競争力をより高める」と意義を強調した。日鉄の森高弘副会長も声明で「買収完了に向けた大きな一歩が踏み出された」と歓迎した。
　買収が実現すれば、両社の粗鋼生産規模は年間約５９００万トンに上り、サプライチェーン（供給網）強化につながりそうだ。日鉄は今年９月までの手続き完了を見込んでいる。
　総会で買収が認められたものの、多くの難路が待ち受ける。日鉄が雇用維持などを明言したのに対し、ＵＳＷは「空約束だ」と批判。大統領選で労組票獲得を狙うバイデン大統領、トランプ前大統領がともに買収に異を唱えるなど、政治問題に発展している。
　買収について米独占禁止当局や、安全保障への影響を検証する対米外国投資委員会（ＣＦＩＵＳ）などが調査を始めた。政治動向が承認審査に影響を及ぼせば、統合が暗礁に乗り上げる可能性もある。（2024/04/13-14:31）

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2024.04.13 14:31Business

U.S. Steel Shareholders OK Planned Buyout by Nippon Steel

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Shareholders of United States Steel Corp. at an extraordinary online meeting Friday approved Japanese peer Nippon Steel Corp.'s proposal to acquire the U.S. company, U.S. Steel said.
The approval rate exceeded 98 pct, with the development marking a step toward the creation of the world's third-largest steelmaker in terms of crude steel production volume.