世耕氏、還流関与を否定　２２年８月会合で結論出ず―参院政倫審

　参院政治倫理審査会は１４日午前、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、安倍派幹部だった世耕弘成前参院幹事長が出席して審査を行った。世耕氏はパーティー収入のキックバック（還流）復活を協議した２０２２年８月５日の幹部会合に出席したことを認めた上で「意見を聞く趣旨の会合だった。現金による還付（還流）が決まったりしたことは一切ない」と述べ、関与を否定した。
　安倍派会長だった安倍晋三元首相が２２年４月に還流中止を指示したものの、継続された。世耕氏は８月の会合について「還付金をやめるという安倍氏の方針は堅持するが、何らかの資金の手当ての方法があるのかという議論になった」と説明。ただ「確定的なことは決まっていない。（派内で）大幅に各人の認識は違ってない」などと繰り返した。
　８月の会合を巡り、今月１日の衆院政倫審では同派事務総長だった西村康稔前経済産業相が「結論は出なかった」と述べる一方、塩谷立・元総務会長は「話し合いの中で継続になった」として、認識が食い違っていた。
　世耕氏は「国民の政治に対する信頼を大きく毀損（きそん）したことを深くおわびする」と陳謝。安倍派の政治資金収支報告書の不記載についても「いつ始まったか分からない。少なくとも十数年前には始まっていたと思う」と述べるにとどめた。
　世耕氏は自身への還流分の使途について「不正な目的や私的な目的でなされた支出、いわゆる裏金的支出は一切確認されていない」と話し、問題ないとの認識を重ねて示した。還流分の納税も否定した。
　安倍派には、改選を迎える参院議員に派閥のパーティーで集めた資金を全額還流した疑惑がある。世耕氏は「（パーティー券販売の）ノルマがないというルールがどこからか始まって運用されていた」と説明した。
　自身が会長を務めていた参院安倍派（清風会）については、既に解散したことを明らかにした。（2024/03/14-11:55）

Japanese lawmaker Hiroshige Seko denied his involvement in a slush funds scandal rocking the ruling Liberal Democratic Party, at a parliamentary political ethics panel hearing Thursday.
   Seko, former LDP secretary-general for the House of Councillors, the upper chamber of Japan's parliament, was grilled at the chamber's Deliberative Council on Political Ethics over his role as an executive of the LDP faction once led by the late Prime Minister Shinzo Abe. The faction allegedly paid kickbacks from fundraising party ticket revenues to members.
   Seko admitted that he attended a meeting of faction executives Aug. 5, 2022, in which participants discussed resuming the kickback scheme after Abe instructed his faction to stop the practice in April that year. The meeting took place about a month after Abe's death.
   "It was a meeting intended to hear opinions," Seko said, denying that participants discussed payments of cash to members from fundraising party revenues.
   "We discussed how we can secure funds while upholding Abe's policy of stopping the practice," Seko explained.