2024.03.13 20:35Nation

第三国輸出「個別に閣議決定」 次期戦闘機に当面限定―岸田首相

 国際共同開発した防衛装備品の第三国輸出を巡り、岸田文雄首相は13日の参院予算委員会で「個別の案件ごとに閣議決定し、その前に与党協議が確保されるようにしたい」と表明した。手続きの厳格化を打ち出すことで、紛争の助長などを懸念する公明党の理解を得るのが狙いだ。
 自民、公明両党は15日に政調会長が協議し、合意する方向。政府は与党合意を受けて来週にも防衛装備移転三原則の運用指針改定を閣議決定する。
 公明党の西田実仁参院会長は参院予算委で、第三国輸出の「歯止め」の必要性を主張。首相は、当面の対象を英国、イタリアと開発する次期戦闘機に限定する方針を示した。今回の運用指針改定も閣議決定事項とするほか、他の共同開発品の輸出を決める際は、個別に運用指針に明記する考えも明かした。
 首相はその上で、将来的にも第三国輸出を「防衛装備品・技術移転協定」の締結国に限定し、「戦闘が行われている国に対しては行わない」と明言。「厳格な決定プロセスを経ることで、平和国家としての基本理念の堅持を、明確な形で示すことができる」と理解を求めた。
 公明の高木陽介政調会長は13日の記者会見で、「わが党が求めていた歯止めについて明確に丁寧に答えてもらった」と、首相答弁を高く評価した。「合意に向けて努力したい」とも述べ、15日の自公協議へ大詰めの調整を急ぐ考えを示した。
 一方、参院予算委で共産党の山添拓政策委員長は、第三国に輸出された次期戦闘機が将来的に「国際法違反の攻撃」に投入されかねない恐れがあると指摘し、「歯止めなど掛けられないのではないか」と追及。「もうけを大きくするため海外へ売りさばく発想は『死の商人国家』の批判を免れない」と断じた。
 首相はこれに対し、輸出先を防衛装備品・技術移転協定の締結国に限る点などを理由に「国連憲章に反するような攻撃に使用されるとの懸念は当たらない」と強調。「平和国家の歩みは何ら変わるものではない」と繰り返した。(2024/03/13-20:35)

2024.03.13 20:35Nation

Kishida Eyes Cabinet Decision on Defense Equipment Exports


Japanese Prime Minister Fumio Kishida said Wednesday that any Japanese exports of internationally developed defense equipment to third countries will be subject to cabinet decision.
   Such decisions by the cabinet will follow talks in the ruling coalition, Kishida told the House of Councillors Budget Committee.
   Kishida's Liberal Democratic Party and its coalition partner, Komeito, have been discussing whether to allow exports to third countries of a next-generation fighter jet that Japan will develop jointly with Britain and Italy.
   The prime minister's comments came after Makoto Nishida, a senior Komeito member in the Upper House, sought to curb exports of internationally developed defense equipment to third countries. Kishida said such exports would be limited to the fighter jet case for the time being.
   Kishida said Japan will limit such exports to countries with which it has signed agreements on the transfer of defense equipment and technology, and it will not export to countries involved in conflicts.

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