追悼の光、被災地にともる　能登と「共に未来へ」―被災３県・東日本大震災１３年

　東日本大震災から１３年となるのを前に、岩手、宮城、福島の被災３県では１０日夜、各地でキャンドルなどが並べられ、犠牲者を追悼する明かりがともされた。訪れた人々は淡い光に手を合わせ、能登半島地震の被災者にも思いを寄せた。
　岩手県大船渡市の商業施設「キャッセン大船渡」の広場では、竹の中に発光ダイオード（ＬＥＤ）の電灯を入れた「竹あかり」が優しい光を放っていた。
　津波で友人を亡くした同市の会社員女性（３８）は、当時を忘れないようにと竹あかりを見詰めた。「年月を重ね、自分の中で記憶が薄れつつあるのが残念だ」と話す。能登にも思いをはせ、「状況が良くなることを祈っている」と語った。
　宮城県気仙沼市の「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」の中庭では、約２５００個のＬＥＤライトがともされ、ハート形と共に「３．１１」「１．１」の数字が浮かび上がった。
　震災当時に受けた支援への感謝や、元日に起きた能登半島地震の被災地に思いを届けようと企画された。長男（５）、長女（２）と訪れた同市の公務員鈴木悠生さん（３８）は、日が落ちて冷え込む中、「あの日も寒い夜だったのかなと想像できた。震災を知らない世代が当時の状況を追体験できる機会はあった方がいい」と話した。
　福島県双葉町のＪＲ常磐線双葉駅前には約１０００本のろうそくが並べられた。それぞれに「福島復興」「能登町と共に未来へ」などのメッセージが書かれ、手を合わせる人の姿が見られた。
　双葉町は２０２２年８月に帰還困難区域の一部で避難指示が解除されたが、町内で暮らす住民は今月１日時点で１０２人にとどまる。自営業の三輪アナリサさん（５６）は「あっという間の１３年だった。今でも復興には足りない部分も多いが、同じ地域で暮らす知人たちと良い町にしていきたい」と前を向いた。（2024/03/10-21:46）

Residents in three northeastern Japan prefectures heavily damaged by the March 2011 powerful earthquake and tsunami paid tribute to victims on the night of Sunday, the eve of the 13th anniversary of the disaster.
   Lanterns called "takeakari," made of bamboos and light-emitting diode lights, were placed at a square of Kyassen Ofunato, a commercial facility in the city of Ofunato in Iwate Prefecture.
   A 38-year-old corporate worker from the city who lost a friend in the tsunami visited the site so as not to forget the disaster, while saying, "It is a pity that my memory (of the disaster) is starting to fade as time passes."
   She also voiced her sympathy to people affected by a major earthquake that struck the Noto Peninsula in Ishikawa Prefecture, central Japan, on Jan. 1 this year. "I pray that the situation will improve in afflicted areas."
   In the courtyard of the Ruins of the Great East Japan Earthquake Kesennuma City Memorial Museum in the city of Kesennuma in Miyagi Prefecture, about 2,500 LED lights were lit to create the shapes of hearts and the numbers "3.11" and "1.1."