2024.02.04 07:18Business

米新興企業、日本でCO2回収 都市ガスや建材に再利用―脱炭素を支援

 【デンバー時事】米新興企業が日本企業と組み、大気中の二酸化炭素(CO2)の回収に乗り出す。提携先の施設にCO2回収装置を整備し、都市ガスやコンクリート建材の製造などにそのCO2を再利用できるようにすることで、脱炭素化を支援する。
 新興企業は、西部コロラド州に本拠を置くグローバル・サーモスタット。2010年創業で、大気中からCO2を回収する「DAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)」と呼ばれる技術の開発を手掛けている。まずは出資を受けている東京ガスと実証実験に取り組む。CO2と水素で都市ガスをつくると、燃焼時の排出量を実質ゼロとみなせる。
 他にコンクリートや合成燃料、炭酸飲料の製造、農作物の温室栽培などCO2を用いるさまざまな日本企業とも協業を目指す。既に複数のメーカーや商社などと交渉を始めており、日本の国内外で実証実験や展開を視野に入れている。
 取材に応じたポール・ナヒ最高経営責任者(CEO)は「日本には世界有数の製造業があり、政府もエネルギーの脱炭素化に積極的だ」と日本進出の背景を説明。また、気候変動対策にはCO2の排出抑制だけでなく、世界で大気中から「年間数十億トンの回収が不可欠」と指摘し、産業として「現在の石油・天然ガスと同規模に拡大させる必要がある」と強調した。
 同社が開発した装置の仕組みは、大気を中に取り込み、化合物を塗布したブロックを通過させてCO2を吸着。そのブロックに蒸気を当て、放たれたCO2をとらえる。実証実験では年間10トンを回収できるコンテナサイズの装置を使用するが、30年までに回収量が同100万トンの大規模設備の稼働を目指す。(2024/02/04-07:18)

2024.02.04 07:18Business

U.S. Startup to Begin CO2 Recovery in Japan


U.S. startup Global Thermostat is teaming up with Japanese companies to begin carbon dioxide recovery to help promote decarbonization in Japan.
   The Colorado-based company, established in 2010, develops a technology called direct air capture, or DAC, to extract CO2 from the atmosphere.

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