起訴取り消し訴訟、双方控訴 国と都は「違法捜査」不服―大川原化工機の賠償請求
噴霧乾燥機の不正輸出容疑で警視庁に逮捕され、後に起訴が取り消された機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らによる損害賠償請求訴訟で、国と東京都は10日、捜査を違法とした東京地裁判決を不服として東京高裁に控訴した。これを受け、同社側も控訴した。
昨年12月27日の地裁判決は、警視庁公安部の逮捕には合理的な根拠が欠けていると指摘し、東京地検の起訴についても「必要な捜査を尽くしていない」と批判。いずれも違法性を認め、国と都に計約1億6000万円の支払いを命じた。
公安部は2020年3月、軍事転用可能な噴霧乾燥機を無許可で輸出したとして、大川原化工機の大川原正明社長(74)ら3人を外為法違反容疑で逮捕。元顧問の相嶋静夫さんは勾留中に胃がんが発覚し、72歳で死亡した。その後、東京地検は輸出規制対象に該当するか疑義が生じたとして起訴を取り消した。
判決は、乾燥機が経済産業省の輸出規制に該当するとした公安部と検察官の判断について、犯罪の成否の見極めや有罪立証する上で当然に必要な捜査がなされなかったと認定。同社側の説明に基づいて捜査し直せば、規制対象外だと容易に明らかにできたはずだとした。
元役員島田順司さん(70)の取り調べで、島田さんの主張通りに供述調書を修正したように装い、署名押印させるなどしたとも指摘した。(2024/01/10-18:05)
Japan, Tokyo Govts Challenge Ruling over Machinery Export Probe
The Japanese and Tokyo metropolitan governments challenged Wednesday a district court ruling that recognized the illegality of law enforcement's investigations into a case against spray dryer maker Ohkawara Kakohki Co.
The national and Tokyo governments filed an appeal with Tokyo High Court against the Dec. 27, 2023, Tokyo District Court ruling, which determined that the arrests of three people in the case by the Public Security Bureau of Tokyo's Metropolitan Police Department lacked reasonable grounds.
On the Tokyo District Public Prosecutors Office's indictments of the three, the ruling said that full-fledged investigations needed for the prosecution had not been carried out.
The district court ordered the metropolitan and Japanese governments to pay a total of 160 million yen in damages to plaintiffs, including Masaaki Ohkawara, 74, president of the company based in Yokohama, south of Tokyo.
Ohkawara Kakohki also filed an appeal against the ruling.
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