ビッグモーター社長辞任 不正陳謝、被害者に返金へ―経営陣関与や組織性は否定
中古車販売大手ビッグモーター(東京)の兼重宏行社長は25日、保険金の不正請求問題の責任を取り、26日付で辞任すると表明した。東京都内で記者会見した兼重社長は、一連の不正に関し「深くおわび申し上げる」と陳謝。修理を依頼した車に故意に傷を付けられるといった被害に遭った顧客に対し、損害保険会社と連携し、再修理や返金などの対応を進める考えを示した。
一方、一連の不正への経営陣の関与や組織的に行われた可能性は繰り返し否定。ビッグモーターは新体制下で第三者機関の活用も検討し、過去の事案を含めて調査を続ける方針で、全容解明に至るかが焦点だ。
問題発覚後、同社が会見を開くのは初めて。兼重社長は「経営トップとしての責任を痛感し深く反省している」と述べた。不正の責任を取り、兼重社長のほか、長男の宏一副社長も26日付で辞任する。後任は社長に和泉伸二専務、副社長に石橋光国取締役が就く。
同社では、修理車にわざと傷を付けたり、不要な修理を施したりといった悪質行為が横行。損保会社に保険金を水増し請求する不正が発覚しているが、兼重社長は会見で「経営陣は全く知らなかった」と弁明した。
会見では当初、不正に関与した社員に「厳正に対処したい」と述べ、刑事告発を検討する考えを示したが、その後、「一番の責任は私にある」と釈明し撤回した。予定していた20~30店舗の新規出店計画は一部を除き凍結する。
保険金の不正請求事案は、これまでの社内調査では、少なくとも1275件、被害総額が4995万円に上る。外部弁護士による特別調査委員会の調べでは、不正は北海道、東京都、京都府、福岡県など全国の約30拠点で判明。関与した社員の約6割が「上司からの指示」を理由に挙げた。(2023/07/25-19:15)
Bigmotor President to Quit over Insurance Fraud Scandal
Bigmotor Co. President Hiroyuki Kaneshige said Tuesday that he will resign to take responsibility for the major Japanese used car dealer's scandal over fraudulent auto insurance applications.
"I deeply apologize for causing great trouble and concern to our customers, nonlife insurance companies and other parties concerned," Kaneshige told a press conference held in Tokyo.
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